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思わず目が点の「老化」のからくり(その3)人の毛細血管は減っている!その構造とは1/1

前回までのあらすじ 心臓はガス交換を一手に引き受ける「リサイクルセンター」で、血管は「道路」、血液は「輸送トラックである」ということを学びました。

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血液の流れ

心臓で作られた栄養と酸素を積み込み、高速道路である「大動脈」に送り出される

国道である「動脈」に入り、各部位の細胞に必要な栄養と酸素を届ける

今静脈から大静脈に入り、再び心臓へと帰って来る


この時、各部位の細胞が出した老廃物や二酸化炭素を回収して来るんでしたね。

毛細血管は、我が家の前の生活道路!

多くの施設や住宅は、国道から脇道に入った生活道路にあります。

つまり、店舗や個人の家に荷物を運ぶトラックは、高速道路を出て、国道を通り、さらに、生活道路に入る、という道筋をたどるわけです。

その生活道路に当たる血管が『毛細血管』!

私たちのカラダに通る血管の9割が、この毛細血管です。
全身の至るところに網目状に張り巡らされています。

  • 正しく、「自宅の前の路地」のような感じです。

その数、約1,500億本!

全て繋ぐと9万キロにもなります。

そして、人体を構成する約60兆個の細胞は、「この毛細血管」から酸素や栄養を受け取り、日々、生命維持や再生に勤しんでいるのです。

さらに、その過程で出た二酸化炭素と老廃物もまた、毛細血管で回収役の血液に積み込まれ、静脈へと送られています。

従って、いくらしっかりと栄養摂取や酸素補給に取り組んだところで、毛細血管が細胞付近に通っていなければ届けられません。謂わば、孤島状態になる訳です。

毛細血管の構造

毛細血管は、太いところでも0.005mm程しかなく、細いところになると0.02mmをきる「超極細血管」です。

おまけに、その作りも、「内皮細胞(ないひさいぼう)」と「周皮細胞(しゅうひさいぼう)」だけの一層構造! 
動脈や静脈のように、平滑筋を持ちません。何ともか弱い作りです。

でも、これにはちゃんと理由があります。

そもそも動脈や静脈が丈夫な三層構造になっているのは、「中の血液が漏れることのないように安全性を考えて」です。
ようするに、高速道路上を走る車が民家に飛び込んで来ないように、しっかりと丈夫な壁で防御されているわけです。

けれど、家や店舗と直接繋がる生活道路に高い壁があると、出入りが厄介になります。だから、必要以上のものは作らないのが賢明でしょう。

それと同じように、もし、毛細血管の壁が厚いと、周囲の細胞が栄養や酸素を吸収したり、老廃物や、二酸化炭素を排出したりできなくなってしまいます。その便宜を考え、あえて細胞だけを並べた構造になっているのです。

減っているのは「毛細血管」!

  • 毛細血管は、「壁面の隙間を通して、外の組織と物質のやり取り」をしています。

フィルターになっている壁面の目を調節することにより、各部位が必要とする物質だけを送り込むことも可能です。

実際、「何でもwelcome!」という部位については、粗い目で多くの栄養素を供給出来るようになっていますが、中には、ブドウ糖や水などの小さい分子だけ通すところもあります。

こうした事を考えると、実によく作られているように見える毛細血管ですが、故に、「災害時にはダメージを受けやすい」という難点を持もっています。

渋滞回避に、地元の人たちが愛用している山間の道や川沿いの道のようなものです。

通勤や通学には欠かせない大事な林道や堤防は、台風や地震など、自然災害が発生すると、真っ先に大きな被害を受け、使い物にならなくなってしまいます。

でも、幹線道路ではありませんから、洪水や土砂崩れで通れなくなっても、中々対処してもらえません。
中には、永遠に通行止めとなり、いつしか道なき道になるケースも珍しくないでしょう。

それと同様のことが、毛細血管にも起ります。
そして、これこそが、「人の血管が減る原理」なのです。

つまり、減っているのは『毛細血管』ということですね。

written by M.YAMAMOTO

ではでは、毛細血管は、どのような災害で、どのようにダメージを受け、どのように減って行くのでしょうか? 
次回は、その辺りを考えてみましょう。お楽しみに・・・!!