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学校でおこなわれている「がん教育」の内容、あなたはどこまでお分かりですか?1/1

国が策定している「がん対策基本法」の中に、学校におけるがん教育があります。

これは昨今のがんをめぐる状況を踏まえ、学校における健康教育において、がんを取り上げた教育を推進することは、健康教育を推進する上で意義のあることであると考えられたからです。

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日本人の死亡原因として最も多いがんについてはとくに、「癌」そのものの理解や、がん患者に対する正しい認識を深める教育については、不十分であることが指摘されていました。


  • がんについての正しい理解
  • 健康と命の大切さについて考えることができるようになること

教育機関において、がん教育をおこなう目的は大きく分けてこれら二つです。

さて、小・中・高校生が勉強しているがん教育、あなたはどのくらいご存知でしょうか?
複数回にわたって、学校でおこなわれているがん教育の内容を掲載していきます。意外と知らないことが隠されているかも知れません。

がん教育の位置付け

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学校における「がんに関する教育」については 現在、学習指導要領とその解説において、主に生活習慣病や保健・医療サービスに関連して位置付けられています。

学校でおこなわれている、がん教育の具体的な内容について

がん教育において取り扱いっている具体的な内容は、以下の9つの事柄です。

① がんとは(がんの要因等)

  • がんとは、体の中で、異常細胞が際限なく増えてしまう病気。
  • 異常細胞は、通常の細胞が細胞分裂する際に発生したもの。
  • 加齢に伴いがんにかかる人が増える。また、数は少ないが子供がかかるがんもある。
  • がんになる危険性を増す要因としては、たばこ、細菌・ウイルス、過量な飲酒、偏った食事、運動不足などがある。
  • 一部のまれなものではあるが、遺伝要因が関与するものもある。また、がんになる原因がわかっていないものもある。

② がんの種類とその経過

  • がんには胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、前立腺がんなど様々な種類があり、治りやすさも種類によって異なる。
  • がんによる症状や生活上の支障なども、がんの種類や状態により異なっている。

③ 我が国のがんの状況

  • がんは、日本人の死因の第1位、現在(2013 年)では、年間約 36 万人以上の国民が、がんを原因として亡くなっており、これは、亡くなる方の三人に一人に相当する。
  • 生涯のうちにがんにかかる可能性は、二人に一人(男性の 60%、女性の 45%(2010 年))とされているが、人口に占める高齢者の割合が増加してきていることもあり、年々増え続けている。
  • がんの対策に当たって、すべての病院でがんにかかった人のがんの情報を登録する「全国がん登録」を始め様々な取組がおこなわれている。

④ がんの予防

  • たばこを吸わない、他人のたばこの煙をできるだけ避ける、バランスのとれた食事をする、適度な運動をする、定期的に健康診断を受けることなどがある。

⑤ がんの早期発見・がん検診

  • 早期がんに関しては 9 割近くの方が治る。
  • がんは症状が出にくい病気なので、早期に発見するためには、症状がなくても、がん検診を定期的に受けることが不可欠である。
  • 日本では、肺がん、胃がん、乳がん、子宮頸(けい)がん、大腸がんなどのがん検診が行われている。

⑥ がんの治療法

  • 基本となるがん治療は手術治療、放射線治療、薬物治療(抗がん剤など)
  • がんの種類と進行度に応じて、三つの治療法を単独や、組み合わせて行う標準治療が定められている。
  • それらを医師等と相談しながら主体的に選択することが重要となっている。

⑦ がん治療における緩和ケア

  • 緩和ケアをおこなえば、たとえ治らない場合でも心身の苦痛を取ることができる。
  • 緩和ケアは、終末期だけでなく、がんと診断されたときから受けるものである。

⑧ がん患者の生活の質

  • がんの治療の際に、単に病気を治すだけではなく、治療後の “生活の質”を大切にする考え方が広まってきている。

    治療による影響について十分知った上で、がんになっても、その人らしく、充実した生き方ができるよう、治療法を選択することが重要である。

⑨ がん患者への理解と共生

  • がん患者は増加しているが、生存率も高まり、治る人、社会に復帰する人、病気を抱えながらも自分らしく生きる人が増えてきている。

    そのような人たちが、社会生活を行っていく中で、がん患者への偏見をなくし、お互いに支え合い、共に暮らしていくことが大切である。

上記9つを教育機関において、実施する目的

それぞれの内容を関連付けて、一次予防(生活習慣の改善等)、二次予防(がん検診等)について理解できるようにする。

現在及び、将来に直面するがんに関する課題に対して、適切な思考・判断をおこない、自らの健康管理や健康的な生活行動の選択ができるようにする。

がん教育の二つの目標を達成するために、がんを通して健康や命の大切さに気付き、がん患者や、家族などのがんと向き合う人々の取組に関心をもつとともに、健康な社会の実現に努めることができるようにする。

次回以降の記事では、学校のがん教育推進のために使用されている教材から、がんの予防、早期発見、治療法などについて順に掲載していきます。


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