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「抗がん剤」に関する、基本的なこと1/1

最近、がん治療の情報は氾濫し、どの情報が信頼できるのか判断しにくくなり、根拠のない情報に踊らされるリスクも増えてきています。 「抗がん剤は効かない」「○○療法でがんが消えた」「がんは絶対治る」「がんは放置」といった極端な言葉が目につきますが、それらの情報が、信頼できる根拠に基づいているのか、本当に患者のための情報なのかどうなのかを見極めることが重要です。

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<がん治療の種類と効果>

がんの3大治療として、手術療法、放射線療法、化学療法があります。

初期のがんで、範囲も小さく転移もなければ 手術療法や放射線療法が有効ですが、進行したがんで 他臓器に転移している場合、抗がん剤がよく使われます。

また、手術療法や放射線療法との併用で、再発や転移の予防にも使われることもあります。

抗がん剤は、がんの種類によって治癒が期待できるものと、あまり効果が期待できないものがあります。

白血病や 悪性リンパ腫などは治癒が期待できますが、治癒が期待できないがんは、延命や症状の緩和のために使われます。

それでも最近は、分子標的薬の新薬承認により、治癒効果が期待できるがんも増えてきています。

<抗がん剤のリスク>

抗がん剤は、がん細胞のDNAや細胞の分裂を阻止したり、がん細胞を弱らせる成分で、細胞を死滅させるものです。

同時に、正常細胞にも影響を与えますので、免疫力や体力を低下させる可能性もあり、がん細胞が消失や縮小しても、免疫力低下などにより、残ったがん細胞が増殖する場合もあります。 

そして飲み薬や点滴で 全身に効果が出ます。吐き気、嘔吐、脱毛、白血球減少、貧血などの副作用が現われることが多く、特に細胞分裂の活発な毛根細胞や、口腔粘膜に出現しやすくなります。

<抗がん剤の効果の意味>

抗がん剤治療の目的には 治癒、延命、症状の緩和がありますが、治療効果や治療期間、副作用、他の選択枝などを主治医に確認し、納得いかなければ、セカンドオピニオンに意見を求める方法もあります。

ここで注意したいのは、「抗がん剤が効く」というのは、延命効果ではなく、がん細胞そのものの消失や 縮小などを意味する場合があるということです。

がん細胞が一時的に消失や縮小したとしても、目に見えないがん細胞が残っていて増えたり、免疫細胞の機能の低下により、がん細胞が増える可能性もありますので、抗がん剤を使用した場合と使用しない場合の生存期間を確認しておくことも重要です。

<分子標的薬>

従来の抗がん剤は、がん細胞だけでなく、正常細胞にもダメージを与えましたが、新しい抗がん剤である「分子標的薬」は、がん細胞だけに作用し、正常細胞への影響は少ない点が特徴です。

「分子標的薬」は、がん細胞の縮小効果は低くても、延命効果を期待して開発された薬ですが、効果があるのは一部のケースで、従来の抗がん剤と併用されることが多いようです。

今後の研究を期待される分子標的薬ですが、現状ではまだ副作用もあり、なかには重篤な副作用の報告もあります。

<がん治療とQOL>

がんの治療では、苦痛、時間、費用が伴いますので、ベネフィットとリスクのバランスを考えて選択することが大切です。

自分にとって何が大切かという優先順位や、目標は何なのかを見極め、多くの情報をうまく活用してQOLを低下させない治療ができるようにしたいものです。

written by 坊ちゃん