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がん登録の全国集計が報告される。相談支援センターなどを介し、患者さんの医療機関選択にも活用1/1

国立研究開発法人国立がん研究センターは、がん診療連携拠点病院等 421 施設および都道府県に推薦された病院 306 施設、小児がん拠点病院 15 施設において 2014 年の 1 年間にがんと診断された症例の診療情報を、それぞれ全体、都道府県別、施設別に集計した結果を9月26日に公開しました。

診療情報は、各施設で院内がん登録された情報によるもので、がん診療連携拠点病院については2007 年の診断分より集計を開始し、本集計で 8 回目の報告となります。

集計は、がん診療連携拠点病院全体でのがん登録数や部位別臨床病期別登録数等を提示するとともに、各施設におけるがん診療の実態把握に活用していただくため都道府県別並びに施設別の集計結果を合わせて提示してきました。

こうした院内がん登録情報は、都道府県がん診療連携拠点病院および国立がん研究センター中央病院、東病院のがん相談支援センター、がん情報サービスサポートセンターを介し、患者さんやご家族のセカンドオピニオンを聞きたい、自宅そばの医療機関を探したいなどのご相談時にも活用されています。

【2014 年 がん診療連携拠点病院等 院内がん登録 全国集計概要】

集計対象施設

  • がん診療連携拠点病院、地域診療病院、特定領域がん診療連携拠点病院
  • 都道府県から推薦された病院
  • 小児がん拠点病院

集計対象期間

  • 2014 年 1 月 1 日~12 月 31 日までの 1 年間にがんと診断された例

登録対象患者

  • 自施設で診断または他の病院で診断された後、自施設に初めて受診した、すべてのがんおよび脳腫瘍

集計項目

  • 部位別、診断時住所(都道府県)別、年齢階級別、来院経路別、発見経緯別、症例区分別、国際分類(UICC TNM)治療前および術後病理学的ステージ(病期)別、定義に基づく自施設初回治療方法別登録数など

小児がん(20 歳未満)について:

  • 国際小児がん分類に基づく 12 主分類別、性年齢階級別、診断時住所別登録数など公表対象
  • 各集計表において集計値が 10 以下の場合、個人が特定される可能性があることから値を伏せ、ハイフン(-)で表記

集計ポイント

がん診療連携拠点病院等
がん診療連携拠点病院等 421 施設(前回 409 施設)について集計を行いました。

*特定領域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院を含む

発表の概要

421 施設の全登録数は 670,205 件で、昨年と比較して集計対象施設が 12 施設増加し、登録数は 13,933 件増加した。

拠点病院において登録されたがんを部位別にみると、2013 年全国集計と同様大腸がもっとも多く、次いで胃が多かった。

胃、大腸、乳房、肝臓、肺の主要 5 部位に加え、初めて食道、子宮頸部、子宮内膜、膀胱、甲状腺、膵臓、前立腺の 7 部位の集計を行い計 12 部位について、臨床病期別の初回治療方法を集計しました。

都道府県別集計では、各都道府県内全体のがん罹患数(地域がん登録による罹患数:全国推計値)に占める拠点病院で診療を受けた者の割合は、宮崎県が 40.0%と最も小さく、次いで沖縄県が 48.9%であった。一方で、岩手県が 98.0%と最も高いことが分かった。

  • 施設別集計では、部位別登録数をみると各施設でどのようながん(部位)を診療しているのかが分かります。
  • 全体や都道府県別の集計値と見比べることで、自施設でどのようながん(部位)の診療が多いかが把握できます。

都道府県から推薦された病院

都道府県から推薦された病院 306 施設(前回 284 施設)について集計を行いました。

  • 306 施設の全登録数は、207,841 件で昨年度と比較し、22 施設増加し、登録数は 33,718 件増加しました。

小児がん拠点病院

  • 小児がん拠点病院 15 施設(前回 12 施設)について集計を行いました。

20 歳未満の小児がんの集計登録数(セカンドオピニオン等を除く)を国際小児がん分類別にみると、白血病が 239 件と最も多く、次いで脳腫瘍が 208 件でした。

リリース全文

【院内がん登録を利用した施設別がん登録件数検索システムについて】

国立がん研究センターがん対策情報センターでは、全国のがん診療連携拠点病院で院内がん登録された診療情報のデータベースを構築し、各種の条件で施設別に症例数検索できるシステムを 2014年に開発しました。

そして、このシステムを都道府県がん診療連携拠点病院がん相談支援センターに提供し、患者さんの要望に合わせ専門の相談員を介し情報提供する試みを同年 12 月より開始しています。

現在、2009 年から 2013 年までの診療情報がデータベース化されており、新たに集計された 2014 年のデータも今後活用されます。

院内がん登録の目的

病院において、がん医療の状況を適確に把握するため、当該病院におけるがん患者について、全国がん登録情報よりも詳細な治療の状況を含む情報を収集し、記録、および保存すること

院内がん登録データベースの活用により期待される効果

– 病院において、当該病院において診療が行われたがんの罹患、診療、転帰等の情報を適確に把握し、治療の結果等を評価することおよび他の病院における評価と比較することにより、がん医療の質の向上が図られること

– 国立がん研究センターにおいて、院内がん情報等を全国規模で収集し、当該情報を基にしたがん統計等の算出等を行うことにより、専門的ながん医療を提供する医療機関の実態把握に資すること

– 病院や国立がん研究センターにおいて、院内がん情報等を適切に公表することにより、がん患者及びその家族等の医療機関の選択等に資すること

– 行政において、前号に基づき公表された院内がん情報を活用し、がん対策の企画立案やがん医療の分析及び評価を行うことにより、がん対策の充実が図られること