ニュース

がんの放射線治療後、匂いや味覚に障害がでる原因は?1/1

がんの放射線治療後に嗅覚や味覚に障害が出ることがあります。これの原因を掲載していきます。

頭頸部の癌における放射線治療では、食べ物の味を感じる小さな器官「味蕾(みらい)」が一時的に破壊されることによって、味覚や嗅覚に影響を及ぼします。

こうした味覚障害が発症する原因として、放射線誘発性の脳損傷が指摘されています。まずはその研究内容を見ていきましょう。

放射線治療による鼻咽腔・側頭葉への損害について

研究は、脳腫瘍で放射線治療を受けていた 次の22名に対しておこなわれました。

  • 神経膠芽腫と14人の患者
  • グレード3の神経膠腫と3人の患者
  • および低悪性度グリオーマと5人の患者

・腫瘍体積への線量中央値は 60グレイ(範囲、45-60グレイ)でした。

・視床、側頭葉、鼻咽頭、嗅覚溝などの放射線量を計測するために、線量体積ヒストグラム(DVH)分析を用いています。


  • 結果、嗅覚の乱れを感じていたのは20名。味覚障害を感じていたのは14名でした。

頭頸部への放射線治療を受ける実に 85%の患者が、味覚への違和感を経験することを本研究は示しました。

研究者は、

放射線治療の副作用である味覚障害は、側頭葉の腫瘍でより発生しやすく、鼻咽頭に受ける線量に関連している可能性がある。

と結論づけています。

臭い、味覚への違和感の例

  • 臭いの感度が低下する(味をうまく識別できないことを含む)
  • 実際には存在しない臭いや味を知覚する など

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-10-12-14-43-21

出典;エルメッド エーザイ

鼻咽腔

鼻の穴に続く上気道の一部。
上方は頭蓋底,下方は硬口蓋の高さまで、前方は後鼻孔で鼻腔と連なっている。

Taste and smell disturbances after brain irradiation: A dose–volume histogram analysis of a prospective observational study – Practical Radiation Oncology