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【ガンもどき騒動に終止符 ①】ガンの悪性or良性を判断できる腫瘍マーカーが発見される 1/1

「お腹の中の赤ちゃんに認められる細胞」と、「ガンが発症している時に認められる細胞」この二つの状況下には、いくつか類似している点があります。それが医学的に、「胎児性腫瘍マーカー」と呼ばれているものです。

「がんと診断された時のために、覚えておくと得をする3種類の胎児性腫瘍マーカー」シリーズ。

第二回目となった前回では、②アルファフェトプロティンについて掲載しました。


覚えておくと得をする3種類の胎児性腫瘍マーカー

  • ① ガン胎児抗原
  • ② アルファフェトプロティン
  • ③ ガン胎児増殖因子

最終回となる今回は③ ガン胎児増殖因子について、掲載していきます。

そしてこれが 今後のガン治療の発展において、もっとも重大な知見です。


ガン胎児増殖因子(tMK,短縮型ミッドカイン)


tMKは、お腹の中にいる赤ちゃんの細胞を増殖させる役割を担っている一方、成人のガン細胞に認められた場合には、ガンの悪性化や転移に深く関わっている「発ガン因子」となります。

これだけでは少し理解しづらいですよね。

つまり、tMKについて、三行でまとめると…

  • お腹の中にいる赤ちゃんに認められている場合… 細胞増殖を手助けしていている
  • 成人のガン細胞に認められた場合… ガンの転移・悪性化に深く関わっている
  • 正常細胞または、良性ガンでは認められていない

ということです。

tMKは すべての健常胎児(お腹の中の赤ちゃん)に認められている細胞の増殖因子で、一個の受精卵を 40週間で約 3㎏にまで成長させる代表的なものです。

その為、健康な赤ちゃんの誕生には 必須の細胞増殖因子となっています。

さて、tMKのもつ特徴を見ていきましょう。


ガン胎児増殖因子(tMK,短縮型ミッドカイン)がもつ特徴


胎児においては一般的に妊娠 27週を過ぎると消滅し、以後認められることはないが、成人に認められた場合は消滅しない

あらゆる臓器の悪性上皮性 腫瘍(他臓器への転移・進行ガン)に認められている。

転移のある乳ガン(悪性)に認められ、転移のない乳がん(良性)や、正常な組織細胞において認められたことがない。

これは乳ガンのみでなく、食道ガン・胃ガン・大腸ガン・肝ガン・膵ガン・肺ガンでも同様のことが確認されている。

ガン組織の tMKが陰性(認められなかった場合)で、亡くなったガン患者さんは一例も報告されていない。

最終的にガン患者を死に至らしめている実に 90%が、tMKの発現が認められている進行ガンである

tMKは基準値(閾値)をもたない。


ガン胎児増殖因子(tMK,短縮型ミッドカイン)の発現経路について


tMKはどのようにして発現しているのか?

これを一文で掲載すると…

染色体11p11.2に存在するミッドカイン遺伝子(※1)が、異なる「選択的スプライシング(ひとつの遺伝子から、異なる転写産物を複数個うみだす仕組みのこと)」によって、MKと、tMKに分かれて生み出されている。

ということですが、これでは少し難しいですね。

これを簡単に一言で掲載すると、「A」という遺伝子が「A+」と「A-」という双子を産むという感じです。


  • MK(ミッドカイン)遺伝子について(※1)

成長因子ミッドカインの機能と医学的意義


大切なポイントなので重ねて掲載しますが、

「MK」は 胎児、ガン、正常組織に認められていますが、
「tMK」は 胎児、悪性ガンのみに認められます。

このtMKが、ガンの転移・悪性化を促している張本人です。

もっと言えば、

tMKがガン組織に発現しているかどうかを診断すると、ガンの悪性 or 良性が判断できます

tMKの発現が認められた場合、そのガンはすでに転移しています。

認められなかった場合は転移していません。むしろ、「できない」と言っていいでしょう。

なぜなら、tMKは発ガン因子そのものだからです。

tMKについて、ガンで闘病中の方、そしてこれからガンと闘病することになるかも知れない方たちがまだまだ知らなければならない事実がたくさんあります。

その作用順序などは 誰にでも分かる形で、また明日の記事から引き続き掲載していきます。

written by 執事
Special Thanks. 日本分子腫瘍マーカー研究会 工藤 憲雄

癌胎児増殖因子 特異的モノクローナル抗体(特許 第 3920556号) 平成29年2月特許公開