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iPS細胞の悪性ガン化を回避する方法とは?工藤さんに伺う(第二回目)1/1

iPS細胞の悪性ガン化(公式的には良性だと発表されている)を回避する方法はあるのだろうか…?引き続き、日本分子腫瘍マーカー研究会、工藤さんに伺ってみた。

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前回、iPS細胞移植療法で作られた臓器が悪性ガンを発症する理由について掲載しました。

第2回目となる今回の記事では予告どおり、ひきつづきiPS細胞移植療法とtMKの関係について記載していきます。


– メリパ

では、iPS細胞移植療法が今後ガン化の問題をクリアできる可能性はあるのでしょうか?

– 工藤さん

ips細胞移植療法に、tMK発現リスクが高い

というのは、ipsが成体細胞を初期化したものだからです。

山中伸弥氏が、四つの遺伝子を使って初期化に成功、ノーベル賞に至りました。

  • 初期化とは、受精卵からの胎児形成と同じ状態のこと(第一回目を参照)

ips細胞は胎児期と異なり、胎盤をもちません。

tMKの発現と消滅が厳密に制御されていない成体細胞から作成されているのです。ipsにtMKが必ず発現するとは限りませんが、発現はかなりの頻度でおこります。

tMKを発現したips細胞の移植患者は、あっという間に転移癌となることは自明です。

つまり、

iPS細胞療法におけるtMKの制御がなされない限り、ips細胞移植療法は未完成のままだ

ということです。

運よく、tMKが未発現のipsが作成できた場合は成功するでしょう。


tMKの問題をクリアしないことには、国中が期待しているとも言えるiPS細胞移植療法はガン化の問題を解消することができない。このままでは医療への応用もない。

これまで特許知見であったため、多くの人々が知らないであろうtMKの知見を、山中さんはご存知なのだろうか…?

工藤さんに伺ってみたところ、ノーベル賞を受賞する前の山中伸弥さんとのやり取りについてお聞きすることができた。

ことの成り行きはこうである。

ある日、工藤さんの元に山中さんがコンタクトを取ってきた。

「研究知見を交換しませんか?」

と。

工藤さんは交換を了承し、山中さんに自分の研究知見を送信した。

が、それ以降、いつまで経っても山中さんからの研究知見は送られてこなかった。

工藤さんが催促をすると、山中さんからこのような返事があった。

『自分の研究知見は工藤さんのお役に立てそうもないので、私の研究知見は送れません』

その数年後、山中伸弥さんはノーベル賞受賞に至る。

受賞後に工藤さんがご指導受けていた著名な名誉教授から言われたことは、

「工藤君、ノーベル賞を受賞するようなやつは強盗・殺人以外はなんでもありなんだよ、よく覚えておきなさい…」

だった。

山中さんがなぜ突然、工藤さんに研究知見の交換を申し出てきたのか?
自分から言いだした約束は守るべきではないのか?

これを書いている私も工藤さんも、思うところはたくさんある。が、私が伝えたいのはそんなことではない。

今のノーベル賞には、工藤さんの研究知見も入っているということを、皆さんに知っておいていただきたい。

もちろん、どんな手を使ってでも受賞は受賞であり、どんな業界においても、例えばサッカーのマラドーナの黄金の左手のようなプロフェッショナル・ファールというものはある、ということは十分に承知している。

ましてやそれが 世界で最も栄誉なノーベル賞がかかっているとなれば、当然のことだと言ってもいい。

が、功績者は讃えられるべきなのである。

そこは曲げてはいけない。
そうでなければヒトが頑張る意義そのものがなくなってしまう。

工藤さんは「ノーベル賞受賞は大変栄誉なことである」と。やりとりの公開を渋っていたが、私はこの事実が公になっていない現状がなんとも我慢ならなかった。

山中さんはもしかすると、tMKに関する研究知見が欲しかったのかも知れない。

tMKの特許、研究知見をもっているのは世界で工藤さんだけだから。
そして、それが意味するのはやはり、iPSのガン化(悪性)である。

しかしながら、ここで一つの疑問が湧く。

工藤さんの研究知見を得たのにもかかわらず、未だiPS細胞が成功していないのはなぜなのか…?

ここに関しても、工藤さんから伺うことができた。

実は、工藤さんが山中さんに送った知見の中に、tMKの研究知見はほんの一部しか入っていなかったのである。

過去に一度しか発表されていない「tMKを高確率に発現する特定の遺伝子」についても、山中さんはおそらくご存知ないだろう。
そしてキラーT細胞療法が完成したとしても、iPSのガン化ループは止められないということも。

あるいは、すでに知っていながら別の方法を模索しているのかも知れない。

聞くところによると、限られた種類のネズミでガン化を回避することに成功したのだとか…

しかしながら、マウスとヒトとではまた状況が異なる。
それが確かな安全性をもってヒトに応用できるものなのかも不明である。できればそれに越したことはないのだが…

それよりも、こうしてヒトで発ガン因子として、その存在が立証されているtMKをなんとかすべきなのではないか? という考えが拭いきれないでいる。

そこで私は二つの仮説を立てた。

山中さんは先のやりとりで、tMKの知見をすべてではないにしろ、その存在は知っているはず。

では、なぜそこを突かないのか?

突かないのではなく、突けないのだ。

tMKは初期化細胞の増殖に必要だから。

tMKを消してしまうとiPS自体がなりたたなくなってしまうのではないか?と。だからtMKを生かしつつ攻略できる方法を模索しているのではないだろうか。

そしてもう一つは、tMK攻略に既に成功しているのではないか?ということ。

仮に組織完成時のtMK攻略に成功していて、ほんとうに良性腫瘍をなんとかしようとしているのであればどうだろう?

そうであるならば、やはりtMKがガンの転移・悪性化に関わっているという証明でもあるのだ。

ただもし、先で掲載したようなやり取りがなく、互いに良好な関係が築かれていたのなら、iPS細胞移植療法はもっと完成に近づいていたのかも知れない。

来る12月3日、TBSの世界ふしぎ発見では山中さんの栄光のノーベル賞秘話が放送予定となっている。

次回、免疫細胞療法について知っておくべき点を掲載しながら、tMKと免疫療法について掲載していきます。

written by 執事

癌胎児増殖因子「truncated MidKine(tMK)

癌胎児増殖因子遺伝子プロモーター領域多型変異遺伝子型(特許第4300002号) 平成29年2月特許公開/ライセンス情報表示

癌胎児増殖因子特異的モノクローナル抗体(特許第3920556号)平成29年2月特許公開