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騙されないために知っておくべき ガンの薬物療法(抗ガン剤・分子標的薬・免疫療法) 第一回目1/1

ガンの薬物療法には ① 抗ガン剤② 分子標的薬③ 免疫療法と大きく分けて3種類ある。 中でも抗ガン剤は一般的なものなので、これについてはすでにご存知の方が多いと思うが…

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抗ガン剤を始めると、副作用がキツくてまともに生活することが困難になるんじゃないか…?

こんなイメージをお持ちの方も多いかもしれない。

キツイ副作用が発生するケースももちろんあるが、現在では抗がん剤も改良が進み、脱毛や吐き気などの副作用も弱まってきている。

また人によって、副作用の程度や出やすさも異なるので、一概に抗ガン剤をやれば絶対に苦しい生活を送ることになる、ということではない。主治医の話を最初から疑うのではなく、キチンと聞いておこう。つまり、ケースバイケースということである。


ここではガンの薬物療法3種の内、とくにご存知の方があまりいらっしゃらないと思われる ② 分子標的薬 ③ 免疫療法のことを 何回かにわかって掲載していきます。
最後までおつきあいいただければ幸いです。


【ガンの薬物療法3種】

抗ガン剤

ガン細胞と正常細胞を破壊する一般的なガン治療。
新規改良で小さくなっているものもあるとはいえ、副作用がある。

分子標的薬

ガン細胞と正常細胞がもつ分子を標的にした薬。副作用がある。

免疫療法
(免疫細胞療法を含む)

ヒトが生来もっているガン細胞と闘う力を、治療として応用したもの。
ガンに対する攻撃力を強めるものなど、いくつか種類がある。


第一回目のテーマ:分子標的薬


【分子標的薬の特徴】

  • 細胞の増殖に関与する受容体型チロシンキナーゼ(EGFRファミリー)の働きを阻害することに狙いを定めている。
  • 特定の分子を阻害することで、ガンの増殖を防ぐのが狙い。

分子標的薬について伺えば、医師の方からもこう解説を受けることもあるかも知れない。

正常細胞があまり持ってない分子を標的にした設計がされているので、副作用が軽くなり、ガンに対する効果が高くなる。

分子標的薬は副作用の少ないものだから、安全なものだ。

こうしたメリットのみの誤った説明が公式を含めて、今も繰り返されている。

その説明は、初期のもので誤っているということをまずは知っておこう。

この説明を信じたがために起こった事件もある。
それが、夢の分子標的薬と謳われていた「イレッサ」の悲惨な事故である。数多くの死者が出た。

主に、ガンだけに作用するはずの分子標的薬が なぜ大量の死者を出すことに繋がったのか…?真実はそこにある。

初期の認識をそのまま使用しているガンサポートセンターや、講演をおこなう何人かの腫瘍内科医がこれを広く伝え続ける限り、イレッサの悲劇が再び繰り返されることにも繋がりかねない。

抗がん剤と副作用が異なるなら、死んでもいいのか?

これは侮って放置してはいけない問題である。
なんの理由もなく、初期の認識にやたらと固執している医師には少し警戒した方がいいかも知れない。でなければ命を落とすことになる。

分子標的薬の標的である受容体型チロシンキナーゼ(EGFRファミリー)は、正常細胞ももっている。

【分子標的薬・投薬までの流れ】

  • ガン自体にどういう遺伝子変異があるかを調べる検査 → その遺伝子異常に対応する分子標的薬が投薬される。

例えば同じ肺ガンでも中身の遺伝子異常は十人十色だったりする。

そのため、まずはどのような遺伝子変異があるのかを調べてから、それに対応した分子標的薬が投与される。

例:Aの異常があるガンにはAに効く薬を使う。Bの異常があるガンにはBに効く薬を使う

それぞれの遺伝子異常にあった薬を使えば、より高いガンの縮小効果が期待できる。
ただし、あまり継続して投与していると、効かなくなるケースもある。

written by 執事
Special Thanks. 日本分子腫瘍マーカー研究会 工藤 憲雄

次回、渦中の免疫療法をテーマに掲載していきます。