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ガン患者さんだけが繋がれる場所「キャンサーペアレンツ」の創設者、西口さんにその胸中を伺う1/1

ガンの発症率が上昇し、今では幼いこどもをもつ親が突然ガンを診断されることも珍しくなくなった。東京都在住の西口洋平さんもその一人である。西口さんが正社員を退職し、ガン患者同士で繋がれるサービス「キャンサーペアレンツ」を立ち上げたのはなぜなのか…?その胸中を伺ってみた。

僕たちは普段の生活、家族との関係、これからの仕事のことなど、当事者に相談したいことが多い。

だからこそ、ガンで闘病する方々のやるせない気持ちを受け止められるような場所、 本当の気持ちを吐露できるような場所を作りたかった。

キャンサーペアレンツには、同じ境遇の人同士が出会う感動で満ちています。

「キャンサーペアレンツ」代表  西口洋平さん

東京都に住む西口洋平さん(当時 35歳)の体調に変化が起きたのは 2014年 の夏ごろだった。

体重が5キロ落ちて白っぽい下痢が続くようになった。
脂っこいものを食べた後はとくにお腹を下してしまう。

最初は訳も分からず市販の下痢止めを飲んでいたが、(消化器系が悪くなったのかも 知れない…)と不安を感じ、病院で下部・上部内視鏡を受けた。が、結果は「特に異常なし」だった。

診断結果に納得がいかず、二度目の診察を受けた。
「目が黄色くなっている(黄疸が出ている)」と言われ、すぐに精密検査を受けたところ、 診断は胆管がんだった。

キャンサーペアレンツを、
なぜ立ち上げようと思ったのでしょうか?


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2015年2月の手術から、4月の後半に会社復帰しました。
それから半年ほどは、治療と仕 事の両立で社会に適応することを考えていました。

 

以前のような日常が戻り始めている…
なんとなく、そう感じ始めることができたとき、「このままでいいのか?」と、漠然と思い始めるようになりました。

 

悶々とした気持ちを抱えていた時に聞いたのが、ビジネスコンテストの話です。
ビジネスコンテストへのチャレンジで、「キャンサーペアレンツ」の原型ができま した。そのときのコンテストには落ちましたが、これを期にライフワークにしようと決めま した。

 

その後、2016年5月に受けたセカンドオピニオンでは、結果が思わしくなく、いつどうなってもおかしくないという診断でした。

それをきっかけにして、「やりたいことに専念する」 と強く思い、正社員をやめ、活動に時間を作ることにしました。

病院内の電話で、母親に告知

口を手で覆い、嗚咽しそうになるのを必死に堪えていた −

母親の反応は 感情を高まらせるには充分なものだった。

妻にはその後に電話で告げたが、母親との会話が感情的なものだったからか 、今度は割と冷静だった。勤務先にも不思議とスムーズに話をすることができた。

とくに難しかったのは子どもに告げるタイミングである。

卒園式と入学式の時期に、手術の時期がバッティングしてしまった。
「もしかしたら、自分は参加することができないかも知れない…」

胆管ガンの治療とは別に、そんな不安が西口さんの胸中をかすめた。

− 会員の皆様は普段、
どういったやりとりをされているのでしょうか?


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周囲に同世代のがん患者がいないこと。
それにより、気持ちを打ち明けられる場所 がなく、苦しんでいた、という話をよく聞きます。

 

普段の生活、家族との関係、仕事、抗がん剤に対する副作用や、
それに対する対処法など、当事者には相談したいことが多いんです。

 

やるせない気持ちを吐露し、それを受け止められる場所。
みんながおなじ境遇の人 どうしだからこそ、つながれたときの感動が大きいです。

手がつけられなかった手術

非常に難しい手術であるため、12時間はかかると言われていたが、実際には 2時間ちょっとで終わった。

開腹してみると、腹膜とリンパ節への転移が分かり、手がつけられなかったためである。

(手術できる状態じゃない…)

両親は絶句した。

自分もかなり辛かった心境だったが、
残された治療方法は抗がん剤しかなく、術後数週間で抗ガン剤治療を受けた。

当初はジェムザールとシスプラチンの2剤(3週2回)で投与していたが、1年ぐらいでシスプラチンにアレルギーが出て、現在はジェムザール単剤(3週投与、1回休み)となっている。

副作用は、倦怠感、肌荒れ、便秘、吐き気、太りやすくなるなど。

代替療法はおこなわず、便秘がひどいときには、コーラックなどを飲む。
吐き気止めのステロイドの影響で、太りやすくなるため、食べ過ぎには注意している。

抗がん剤の投与後はやはり、体がだるい。
そんな日はできるだけ無理をせず、ゆっくりと体を休めて、早めに寝る。

− 西口様はキャンサーペアレンツ
今後どうしていきたいですか?


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まずはこのサービスを、より多くの方に知っていただきたいと思っています。
ガンで闘病する方が、孤独に闘病するようなことがないようにしたい。

 

若い世代のがん患者の「困りごと」を可視化して、世の中へ発信することで、カミ ングアウトしやすい環境、生きていきやすい環境、働きやすい環境を実現したいと考えています。

 

そのために事業化し、寄付だけに頼らない自家発電できるモデルにして、もし、ぼくに何かあっても 存続し続けるサービスにしたいと思っています。

手術ができなかったことによって、体力の回復も早く、
子どもの卒園式と入学式にもなんとか参加することができたのも嬉しかった。

手術の前後で体重が減少していたが、「最高の1日にしたい」という思いで新しいスーツも新調した。

最も感謝したいのは家族である。

奥さんは食べる食事にはとても気を遣ってくれる。
生活リズムも変化し、3食きちんと食べるようになり、睡眠時間も増えた。
次第にアルコールを飲んだり、お肉を食べたりと、たまの息抜きもできるようになった。

がん告知前は、当たり前のように来る毎日に疲れていた。
また、毎日が当たり前 のように来ると思っていた。
こどもの姿も大きくなるまで、見れると思っていた。

がん告知後は、毎日がありがたい。
当たり前の毎日はない。奇跡の連続であること。

こどもの大きくなる姿を見れないかもしれない。
だからこそ、今を大事にしよう。 今を一緒に生きよう。

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西口 洋平 ( Yohei Nishiguchi )