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現状、もっとも早いガンの検出方法になるかも知れない1/1

悪性腫瘍が形成されるまえに、われわれの免疫はその形成中に変化したタンパク質に対し、がん抗体を産出してこれを攻撃しようとします。この変化はがんの腫瘍が発達して検出される数ヶ月~数年前から始まります。

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その抗体産出をがんのバイオセンサーにする試みがUCM(Complutense University of Madrid)の科学者によって開発されました。

「最初の症状が現れる3年前にも、私たちの免疫系はこれらの癌自己抗体を産生します」

Complutense University of Univers(UCM)
Susana Campuzano氏

そのキーポイントが遺伝子の守護者と呼ばれるタンパク質「P53」に対する免疫の変化です。

  • P53タンパク質は、細胞の変化や腫瘍の出現を避けるがんの抑制遺伝子

p53が異常変化をおこし、正常な抑制を無視して増加している場合、免疫系はまるで悪性転換を警報するかのように、異常変化したp53に対する自己抗体を産出します。

結腸直腸ガンおよび、卵巣ガン患者の血清サンプル中から、変異したp53に対する防御単位を検出することができました。

チームが開発したバイオセンサーは現在、p53に対する自己抗体を検出するほかの方法と比較して、440倍高い感度および、p53自己抗体に対する優れた識別(陽性or陰性)を判断できる、という結果が得られています。

既に発症しているがん腫瘍の存在、または近い将来にがんを発症するリスクの指標を、もっとも早く検出できる検査薬が誕生するかも知れないとのことです。

UCM scientists design biosensor capable of detecting cancer autoantibodies at early stages

我々の細胞はこのように様々な刺激(変化)に対して、細胞間の信号伝達のネットワークを活性化し、環境の変化に適応するだけでなく、増殖,分化,アポトーシス(細胞死)など,多彩な生命機能の制御に中心的な役割を果たしています。

p53はとくにガンや自己免疫疾患、神経変性疾患、2型糖尿病などの発症に関与する経路(p38/jnk経路)に関与が認められている遺伝子です。

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ヒトの細胞内ではすくなくとも4種類の中心体(細胞分裂の中心的な役割を担うところ)の複製があることが判明していますが、ガン細胞に特徴的なのが中心体の異常な増殖です。

マウスの実験により、p53などのガン抑制遺伝子がない場合や、原ガン遺伝子が大量産出されると 中心体の増殖が誘導される、というメカニズムが明らかになっています。

そのため、異常に変異したp53ガン抑制遺伝子の能力を回復させるような薬剤が作られています。
ヒトでの早期段階の安全性試験にはすでに合格しており、現在、欧州では臨床試験が進行中です。

written by 執事