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腸内細菌が与える子供の発達への影響(その1)お母さんの腸内環境が赤ちゃんの発育を左右するかも?1/1

風邪やインフルエンザが蔓延する季節、うがい・手洗いを徹底させたり、食事内容を考えたりと、子供のウイルス対策にあれこれ気を遣われるお母さんは多いだろうと思います。 それを考えると子どもの腸内細菌だけでなく、母もまた 年がら年中、愛する子供たちの体内に侵入しようとする雑菌たちと戦っている訳です。

特に赤ちゃんのおられるご家庭は「より一層の衛生管理への気配りが必要」になるので、うるさく言われておられるパパも多いでしょう。

しかし、それでは遅いのです。

本気で我が子を健康な子にしたければ、おなかの中にいる時から細菌と真剣に向き合わなければなりません。

子供の精神障害は本当にストレスが原因?

昨今、子供でも精神状態が不安定で、鬱病を発症する子が急増しています。

そして、その原因はストレス! 
日々複雑になる教育環境や友人関係が与える影響が大きい、と見られがちです。

つまり、

最近の学校生活や日常生活に問題があるのではないか?

という見解です。

ところがここへ来て、その根幹となる要因は、「生まれる前にあるのかも知れない」という考え方が出てきています。

昨年初め、胎児や新生児の脳発達研究者として名高い 栃谷史郎(とちたにしろう)特命教授率いる福井大学の研究チームが、米国のデジタル科学誌に思わず目が点になりそうな発表をしました。

それは、「近年急増している子供の精神障害や発達障害は、もしかしたら母胎の腸内細菌が要因になっているかも知れない」という見解です。

栃谷教授のチームでは、妊娠中のマウスに腸内細菌の増殖を抑える抗生剤を与え、あえて腸内細菌のバランスを乱した状態で出産まで過ごさせるように試みました。

正常な腸内環境を維持しながら妊娠ライフを送るマウスも準備し、生まれて来た子を観察してみると、生後3週間目辺りから徐々に差が現れてきたのです。

まず、腸内細菌のバランスを崩した母親から生まれた赤ちゃんマウスは…

夜行性なのにも関わらず、夜になっても活発に動こうとしない! 

暗いところや広いところを怖がる! 

子供独特の好奇心に欠ける! 

など、自閉症のような症状が出始めました。

もちろん、正常な腸内細菌のバランスを持つ母親から生まれた子は、正反対の行動を示します。

母親の腸内環境が胎児に与える影響

上記の実験結果から考えると、人間においても、妊婦の腸内細菌の状態が、新生児の脳発達に影響を与えることは十二分に考えられます。

また、「順応性が弱い」ということは、例え知的障害はなくても、環境への適応能力が弱くなり、鬱病などの精神疾患を発症しても不思議ではなくなります。

では、何故にこのような関係性が疑われるのでしょうか?

確かに、子宮内にいる胎児は直接、母胎の細菌と接触することはないものの、母親から栄養をもらい、身体や脳を形成しています。

そして、その栄養の量や質をコントロールしているのは、お母さんの血流とホルモンバランスです。

お母さんの血流とホルモンバランスをコントロールしているのは、ズバリ「腸」!!

腸は第2の脳とも言われ、脳以上に多くのホルモン量をもっています。

何しろ、私たち人間は、摂取した飲食物を腸で処理し、老廃物とエネルギーに分離しているのです。
その作業が円滑に進まなければ、身体は毒素に支配されたり、燃料不足に陥ってしまいます。

逆に、腸内環境が良く、正常に作動してくれれば、常に新鮮な栄養をたっぷりと含んだ血液が全身を流れ、必要な時に、必要な部位に供給されます。

勿論、胎児に送られるエネルギーも決して例外ではありません。

母親の腸内で作られるエネルギーが与えられているのですから、その質の善し悪しが身体や脳の形成に影響を与える可能性があることは言うまでもないでしょう。

加えて、腸内環境が悪くなり、母体の自律神経をコントロールするホルモンバランスが乱れると、様々な肉体的、精神的不具合を来します。

それにより、不安やストレスが溜まったり、便秘や不眠を引き起こしたりと、胎児に悪影響を与える症状が次々と現れる訳です。

妊娠中は体を冷やさず、酷使せず、腸内環境を整えることが重要です。

酸っぱい物が食べたくなるという現象は、もしかしたら、自らの腸内環境を整え、胎児の発育を助けようとする身体のサインなのかも!? 
出来るだけしっかりとヨーグルトなど、ビフィズス菌を主とした乳酸菌豊富な発酵食品を摂取するように心掛けましょう。

written by M.YAMAMOTO