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腸内細菌が与える子供の発達への影響(その5)妊娠後期には、夫婦で腸内環境を整えよう!1/1

前回、子供の腸内フローラが母親に類似する確率は約75%である理由を明らかになりました。しかし、今、この75%という数字は確実に降下していっています。何故なら、自然分娩ではなく、帝王切開で出産する妊婦が急増しているからです。

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帝王切開で腸内フローラ引き継ぎは出来ない

先進国における自然分娩の出生率は実際問題、年々低下の一途を辿り、今や米国では31人が帝王切開で生まれて来る赤ちゃんだ、と言われています。

そのため、「あえて母親の膣液をなめさせてはどうか?」という案まで、真剣に検討されているのだとか…

確かに、帝王切開で生まれて来る赤ん坊は、母胎の膣を通過しないため、せっかく母親が準備したにも関わらず、膣壁や出口付近の乳酸菌群を受け取ることは出来ません。

しかも、最初に接触するのは赤の他人の医師や助産師、あるいは看護師たちの手です。

勿論、多少なりともお母さんの腹部の皮膚には触れるとは言え、その度合いは自然分娩に比べると遙かに低く、親子間での腸内フローラ引き継ぎは困難であると言えるでしょう。

さらに、母親の腹部の皮膚やスタッフの手に常駐しているのは皮膚細菌であって、本来腸内フローラを形成すべき乳酸菌ではありません。
そのため、免疫力に乏しい種菌を入手する事になり、もし、親からの遺伝等でアレルギー体質があれば、容易に発症するリスクが高まるのです。

お母さんの責任は大!

このように、自然分娩で生まれて来る赤ちゃんは、帝王切開で生まれて来る赤ちゃんに比べ、免疫力等で断然優位だという事は明らかです。
母親の腸内環境が重要になってきます。せっかく自然に受け継いでも、その乳酸菌たちがひ弱であれば価値は一気に半減してしまうからです。

実際、母親の便秘症や下痢症が遺伝してしまうのはそのためです。

勿論、腸内細菌と膣内の細菌は別物ですが、全身の細胞と細菌を管理しているのは「腸」です。
従って、腸内環境が悪ければ、当然、全身の細胞や細菌も良質とは言えません。

そう、腸内環境は基本的に膣内や皮膚への環境に直接移行されて行くのです。

自然分娩の際に排便してしまう事は珍しくありません。

よく出産されたお母さんたちが笑い話として出産時の排便話をしていますが、それは決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、自然現象と言えるものではありますが、その便が悪玉菌を豊富に含んだ劣悪な便だったらどうでしょうか? 

赤ちゃんが触れれば、大量の悪玉菌を入手することになってしまいます。
結果、悪玉菌優位の腸内フローラが形成される可能背が高まる、という訳です。

お父さんの責任も大!!

そしてもう一つ、注目したいのが父親との関係です。

前回触れたように、父親の腸内フローラは本来、引き継がれることはないと言っても過言ではありません。

しかし、気合いを入れて調査してみると、その確率は0%にはならないのです。
即ち、0.00何パーセントかという極めて低い数字ながらも、父親と類似する腸内フローラを持つ子もいるということです。

どこから父親の腸内フローラを入手しているのか? 

出産時嬉しさの余り、新米パパが訳も分からず生まれたばかりの赤ん坊を抱きしめ、全身を嘗め回したり、激しくキス攻撃したのではないか?

それが最も考えられる要因です。

勿論、医療機関では、そのような行き過ぎた歓迎はきちんとセーブしていますから、めったな事はないと考えていいでしょう。
また、産湯を浴びる前の赤ん坊を嘗め回すという行為自体、正常な父親はしないというより、出来ないと見られます。だからこそ、恐ろしく低い確率なのです。

が、特に昨今は、カンガルーケアなどの導入により、生まれたばかりの新生児を両親に抱かせる医療機関が増えています。

それを考えると、昔のように、新生児室にいる赤ん坊を遠目に見ていただけの時代とは違い、父親の皮膚や息から摂取した細菌を種菌として使用する確率は高くなっている、と言えるでしょう。

これはパパにとっては幸せなことです。
という事で、妊娠後期には、夫婦揃って腸内環境を整えるのが重要になって来るのではないでしょうか?

written by M.YAMAMOTO