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腸内細菌が与える子供の発達への影響(その6)産後も油断禁物、授乳中の腸内環境も大事です!1/1

「妊娠後期、夫婦揃ってヨーグルトをメインとした発酵食品や野菜・果物をふんだんに食べる!」 「糖質の高い物や脂肪分の高い物はなるべく控える!!」そうして腸内環境を整えることがいかに大事かをお分かり頂けたと思います。 特に母胎にとって、腸内環境を整えることは健康体作りへと大きく繋がっていきます。結果、自然分娩で出産出来る確率も上がり、子供に良質な腸内フローラを引き継いで上げられる確率も上がるのです。

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母子の命を守るため、やむを得ず帝王切開での出産が選択されるケースは少なくありません。

その場合は、母子間の乳酸菌群の引き継ぎが出来ないため、自然分娩で生まれた新生児に比べて不利になってしまうのは否めないでしょう。
とは言え、これはほんの少し出遅れただけで、産後の心がけやケア次第で十分挽回することができます。

むしろ、自然分娩で出産したことに油断し、その後に自らの腸内環境や生活環境に注意を払わない方は危険かも知れないのです。

これまでに掲載してきた通り、お母さんの子宮の中にいる胎児は完全なる無菌状態ですが、いざ出産とばかりに、膣に頭を突き出したとたん、沢山の細菌と接触します。

完全に取り上げられ、オギャー!と泣いた赤ちゃんはすでに、様々な雑菌との出会いを果たしている訳です。皮膚や気道、そして腸管の粘膜にはたちまち、多種多様の細菌たちが住み着きます。

ここからは、自然分娩でも帝王切開でも、条件は全く同じです。
故に、いかに赤ちゃんの体内に多くの善玉菌を入れて上げられるかが運命の分かれ道となります。
そして、そのためには「いかに良質な母乳を与えられるか」が勝負になるのです。

赤ちゃんの初ウンチは無菌

これは意外と知られているようで知られていない話なのですが、赤ちゃんがこの世に生を受け、一番最初に排泄する初ウンチは無菌です。

何故なら、それは胎児の時に生成された滞留便だからです。
便内に多くの細菌が見られるのは2度目以降の排便からです。

特に、生後1日目の新生児の便は、大腸菌が主流となっているのが特徴だと言えるでしょう。
そのため、この頃の便を「胎便」と呼び、お世辞にもきれいとは言えません。

黒み掛かった濃い緑色、俗に言う暗緑色で、中には“カニババ”や“カニクソ”と呼ぶ人もいるくらいです。

この胎便が汚いのは、単に悪玉菌が多いからだけでなく、母胎にいた時に吸収した羊水や腸液を含んでいるからで、粘り気が強いのも大きな特徴だと言えます。
そういう意味では、水っぽい黄色の便という新生児の大便のイメージとは大きく異なります。

しかし、母乳を飲み始めると、その内容は徐々に変化していきます。
自然と悪玉菌の数は減り、ビフィズス菌を主とした乳酸菌中心の便へと変化していくのです。
そして、水っぽい黄色の便で、甘酸っぱい匂いがしてきます。

この甘酸っぱい匂いに、新米ママの中には驚き、慌てられる方がおられますが、そのそも便が臭いというのは、腸内環境が悪いからに他なりません。
善玉菌優位の新生児の腸内環境で大人のような強烈な悪臭を放つ便が出たとしたら、その方が大騒ぎすべきなのです。

母乳はすごい!

何故、生後数日目からの赤ん坊の便は、乳酸菌中心になるのでしょうか? 

その理由は至って簡単で、母乳というのは実に全体の90%までが善玉菌のビフィズス菌で構成されているからです。

母乳を分析してみると、新生児の体内では分解困難な乳糖やオリゴ糖と言った糖類が多量に含まれています。
これを多くの人は、甘くて飲みやすい味にするためだと思われているようですが、それは大きな誤解!! 

  • これら糖質は全て、ビフィズス菌ら乳酸菌の大好物です。

さらに、母乳にはもう一つ、本来なら人体の老廃物であるはずの尿素も含まれています。
これは、大人には無用でも、子供には必要なのかと思いきや、これもまた大きな誤解で、やっぱり不要品は不要品です。
ただし、この尿素が生成する窒素、これが乳酸菌にとっては重要な命の源なのです。

そう、彼らは、この窒素を吸い、糖質を摂取して増殖しています。
つまり、お母さんの母乳は、妊娠後期の膣内と同じように、乳酸菌を増やし、赤ちゃんの免疫力を高める働きをしているのです。

授乳中も腸内環境には注意を

実際問題、市販の粉ミルクでは、味や栄養価、そして利便性は高いものの、乳酸菌の量は母乳にはどんなに頑張ってもかなわないことが明らかになっています。

そして、母乳で育てられている赤ちゃんは、腸内疾患や感染症に掛かる確率が、粉ミルクで育てられている赤ちゃんに比べて低いということも証明されているのです。

ただし、例え母乳一本で頑張ったとしても、その母乳が良質なものでなければ価値は半減してしまいます。
これもまた、膣内環境と同じで、やはり原材料となるエネルギーを生成している母親の腸内環境が重要になってくるという事です。

無事に自然分娩で出産したからと言って、産後の自らの栄養管理を怠ってはいけません。

少なくとも授乳中は、出来る限り母乳で育てられるように、それも、良質な母乳で育てられるように、やはり乳酸菌豊富な発酵食品を多く摂取することが絶対です。
加えて、野菜や果物もふんだんに取り、糖質や脂肪分を控える事も大切でしょう。

またお父さんも、そんな奥様と同じような健康的な食生活を送っていれば、腸内環境が整えられ、良質な常在菌を繁殖させられます。

written by M.YAMAMOTO