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もしものときの、心臓マッサージが誰にでもできるようになりました1/1

マウストゥマウスといえば、人工呼吸法のひとつで、患者の口へ直接息を吹き込む緊急時の救助方法として知られていますね。90年代のマンガなどでよく小ネタとしても登場した、救急車が到着するまでの生命維持を目的とした緊急救護です。昨今では、人工呼吸はもういらないのではないか?という皆の研究結果が発表されています。

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人工呼吸 × 心臓マッサージ」が、心肺蘇生のあり方だとされてきましたが、正確な人工呼吸をおこなうには定期的な訓練が必要ですし、知らない人の口と口を接触させることに抵抗感をもつ人も少なくありません。

人工呼吸をやらないほうが、救命率を向上できる?

人工呼吸をおこなうとすると、呼吸に力が入ってマッサージの回数が減るおそれがあります。

心臓マッサージのみに集中して、心筋への血流を保ちつづけることが、「救急隊が到着してAEDを実施するまでの処置として簡単で、適切である」との判断から、
日本救急医療財団と日本蘇生協議会(JRC)は、「救急蘇生のためのガイドライン」を2010年、新たに策定しました。

さらなる市民による救命率の向上をはかるため、一般の発見者が一時救命処置をおこなう場合、心臓マッサージのみをおこなったほうがいいと改定しています。

心臓マッサージは、誰もが抵抗なく、すぐにおこなえる生命維持の処置!

救急搬送された患者(約81万人)を対象にした心肺蘇生の実施調査がおこなわれました。
石見拓(京都大学環境安全保健機構教授)と、川村孝教授らの研究グループらの調査

この調査では、2005~2012年に、国内で心停止によって救急搬送された患者(約81万6,385人)について、市民による蘇生の有無や種別を調べています。

心臓マッサージだけの蘇生を受けた人の割合は、2005年(17.4%) →  2012年(39.3%)に増加していました。

心臓マッサージだけで社会復帰できた人も、人口1000万人当たりの換算で0.6人 →  28.3人に増えていました。

社会復帰数については、心臓マッサージのみの心肺蘇生の方が、人工呼吸を含む心肺蘇生の実施率を大きく上回る結果となっています。

心臓マッサージのみの心肺蘇生は、教育・普及・実践が容易であるため、「心肺蘇生の普及」という観点から大きな期待が寄せられています。

米国心臓学会(AHA)も、院外で心停止を起こした患者には、救急隊が到着するまでに、心臓マッサージのみの「両手で行う(ハンズ・オンリー)」の心肺蘇生をおこなうよう推奨しています。

Ken Jeong AHA Hands-Only CPR video(1:50)

written by 坊ちゃん