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『プロバイオティクス』入り。ペットフードのウソ・ホント1/1

近年、ペットフードにもプロバイオティクス入りを謳っている商品が沢山出てきています。胃腸障害のある子にはもちろんですが、日々の免疫力を維持するためには、普通のペットフードでなく、プロバイオティクス入りフードを与えるべきなんでしょうか...?

プロバイオティクスの効果

プロバイオティクスとは、アンチバイオティクス(抗生物質)の対極にあります。共生を意味するプロバイオシス(pro:共に、 biosis:生きる)を語源としており、人体に良い影響を与える善玉菌の総称です。たとえば、

  • 植物性乳酸菌ぬか漬けやキムチ、ザワークラウトなどの植物性の食べ物に含まれています。 胃酸では簡単に分解されず、腸まで届きやすいことが特徴で、トマトLP14乳酸菌やラブレ菌などが代表的です。
  • 動物性乳酸…チーズや牛乳などに単独で生息しており、胃酸や担汁によって簡単に分解される傾向があるので、植物性乳酸菌と一緒に採ることによって腸まで届いてダブルの効果を発揮するタイプの乳酸菌です。 ブルガリアヨーグルトで有名なブルガリア菌、もともとヒトの腸内に生息している『L21乳酸菌』などが代表的です。
  • 納豆菌稲の藁に多く生息しています。納豆の製造に利用されるほか、整腸作用があるため多くの食品に添加されているほか、整腸剤などにも入っています。

などがプロバイオティクスにあたります。

多くのプロバイオティクスは、腸に届く前に 胃酸などによって死んでしまいますので、最近では”プレ(前)バイオティクス”として、各種オリゴ糖などの食品成分をプロバイオティクスの細菌類を含む食品と同時摂取することが、理想的な腸環境を表す花畑様の『腸内フローラ』形成に望ましいと考えられています。

プロバイオティクスには、乳酸菌だけでも 350種51亜種を超える種類がありますので、増やしたい菌、有効な菌を選んで摂取するのが望ましいです。

最近はペットフードにもプロバイオティクス入りは当たり前

ということで、ヒトの腸内フローラ形成に役立つのだから、犬や猫などのペットフードにも、もちろんプロバイオティクスをウリにした商品が目立つのは当たり前。

多いものになると、乳酸菌は当たり前で、さらに納豆菌や酵母菌まで加えているとうたっているものもあります。

  • 与えているフードをあまり食べなくなってきた
  • 排泄物のニオイがきつい
  • 毛並みにつやがない
  • 皮膚がべたついている

などの諸症状に悩む犬猫に良いとされています。

ここ数年、獣医学会でも”生きて”腸に届くプロバイオティクスは、犬猫にもヒトと同様な効果を表すことが発表されています

一般的に、ペットフードは人間に効果があると証明されてトレンドになった場合、その傾向が踏襲してマーケティングされます。

ペットフードのパッケージには、今や”有機”、”ベジタリアン”などがうたわれていますよね。

与えるなら、プロバイオティクス入りがいいの?

そんなことありません。特に上記の症状が気になる個体でない限り、すべての犬猫が、プロバイオティクス入りフードを必要としているとは言えません。

たとえば犬で言うと、そもそも犬の腸内には100種類100兆個の菌が生きており、善玉菌が免疫機能を果たしていますが、何らかの理由で、悪玉菌が優勢になったときに様々な不調が出てきます。

プロバイオティクス入りのフードは、一般のフードに比べて値段も高いですので、とても健康な個体にかんしては、不調が出てきたときに、初めてプロバイオティクス入りフードに切り替えるかどうかを獣医に相談しても、遅くはないでしょう。

近年、心配な要因がたくさん。

近年心配な要因として、環境汚染や食品添加物の付与、抗生物質の服用、寄生虫などが、犬猫の腸の善玉菌の割合を減らし、自然治癒・免疫力を落としています

そのため、犬猫を未然に病気から防ぐには、各個体は、1日約1兆個の乳酸菌を取り続ける必要があることが、専門家の研究や実験などで明らかになっています。

自分由来の善玉菌がいちばん有効。オーダーDNA乳酸菌も。

腸内フローラは、個々の犬猫によって異なりますし、善玉菌の種種類も個々に異なっています。

多くの市販ペットフードは、だいたい3株程度の乳酸菌を添加しているだけです。 これでも効果は上がると思われますが、最先端のペットフードでは、個別の犬猫のDNAにカスタマイズした乳酸菌を摂取できるよう考えられているものもあるようです(例えば『犬自己由来の乳酸菌 オーダーDNA乳酸菌』など)。

プロバイオティクス入りフードは、一般的には胃腸障害を持つ個体に著しい効果を現しますが、皮膚病やアトピー、アレルギー解消にも非常に効果的と言われています。

特に有効なプロバイオティクスは?

犬猫に特に有効なのは、ラクトバチルス属・エンテロコッカス属の乳酸菌と、ビフィズス菌です。

ただ、それらを含んでいるフードを大量のペットフードの山から見つけ出すのは、容易ではありませんね。

ちなみに、日本のペットフードの成分表示を規定しているものには、環境省の『愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律』や、公正取引委員会の平成27年度の『ペットフードの表示に関する公正競争基準』などがあるのですが、プロバイオティクスはきちんと規制されていないため、成分表示に示された微生物を含んでいない場合や、成分表示に含まれていない成分が入っている場合もあるようです。


【参照】