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世界初!「大麻」が脳に悪影響を与えることを科学的に証明1/1

大麻の有効成分でもあるカンナビノイドと類似した物質が回路形成に重要な働きをしていること、不要な配線(シナプス)を刈り込むことが、世界で初めて明らかになりました。明らかにしたのは 大阪大学大学院 医学系研究科 解剖学講座(分子神経科学)の木村文隆准教授を中心とする研究グループです。

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大麻を摂取すると、必要な配線まで刈り込まれ、神経回路の破綻をきたすという結果です(図1)

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  • 正常な大脳皮質への視床投射。視床線維だけが蛍光を発するマウスからの写真
    中間層に視床からの投射の密集が観察できる
    (1~5の下)。
  • マリファナの有効成分であるΔ9THC(Δ9テトラハイドロカンナビノール)を投与されたマウスからの写真。
    視床からの投射が劇的に退縮していることが観察できる
    (1~5の下)。

これまで、マリファナを摂取すると、シナプス前後の神経の活動が大きな影響を及ぼすことが知られていましたが、具体的にどのような活動が、どのようにして形態的変化をもたらすのかはわかっていませんでした。

今回、視床と大脳皮質のシナプスでも投射形成に伴って、同様にSTDPシナプスの強度がきまるルール)の変化がある可能性に着目し、検討をおこないました。

結果、シナプス前後(視床細胞と大脳皮質細胞)に、余計な投射が刈り込まれ、整然とした投射ができることを見出しました(図2)。

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  • 正常な視床皮質投射、2例。視床線維は4層の赤い矩形領域(バレル)内に収束する。
  • カンナビノイド受容体欠損動物の異常な視床皮質投射、2例。視床線維は4層のバレルを無視した投射を示す。

加えて、本研究では以下のことが明らかになっています。

  • シナプス弱化時には同期した活動によって、神経細胞からカンナビノイドが放出される。
  • 放出されたカンナビノイドによって、不要な神経投射が退縮する。
  • カンナビノイドを外来性に摂取しても、神経投射が退縮する。
  • カンナビノイドの受け手である「カンナビノイド受容体」の機能を遺伝的に欠如させると、余計な投射の刈り込みがなくなり、無秩序な投射のまま残ってしまう。

本研究成果により、神経回路形成のメカニズムの理解がさらに進むこと。また、脳損傷や認知症の治療薬につながる可能性も考えられます。

さらに、大麻摂取が脳の正常な発達に障害を与えることを科学的に証明したことから、大麻や危険ドラッグの乱用減少への啓発にも貢献が期待されます。

本研究をおこなった研究者は最後に、こうコメントしています。

カンナビノイドは気軽に気分が高揚し、無害だと考えられて、気軽に手を出す人が後を絶ちませんが、摂取することによって、本来の正しい配線までも削られていきますので、大変危険です。

特に、若い世代では影響が大きいと考えられますから、絶対に手を出すのはやめましょう。

written by 匿名

『出展』