ニュース

薬の飲み方を知る(第5回)ぜんそくの薬とコーヒー・紅茶の危ない関係1/1

お薬シリーズ第4回目、喘息の薬と、コーヒーなどの飲み物を同時に服用することで生じるリスクについて掲載していきます。喘息持ちで、薬を服用されている方は一度ご覧になられた方がいいかも知れません。

「薬の飲み方を知ろう企画」
前回まで、高血圧の薬と柑橘類の危ない関係についてご紹介してきました。

しかし、世の中には、まだまだこうした薬と飲食物との危険な関係はあります。
特に、「ぜんそくの薬とコーヒー、紅茶、コーラ」「抗血栓薬と納豆」のように…

お薬を日常的に飲む人にとって、身近な飲食物を口にするのは驚くほど命がけだったりするのです。

ぜんそくの薬

「ぜんそく」と聞くと、子供の病気というイメージをお持ちの方もおられるようですが、それは大きな誤解です!

「小児ぜんそく」と呼ばれる小児期のぜんそくは、ほぼ8割方完治すると言われています。
ようするに、子供の頃は「大人になって、気管支や身体自体が丈夫になれば改善される」という訳です。

その一方で、様々な生活環境が悪影響を与え、成人後にぜんそくを発症する人が後を絶ちません。

事実、成人気管支ぜんそく患者の8割が、20歳過ぎてから発病したものと言われています。
さらに、そのうち5割は40歳以降に発症しています。

そこで、ぜんそく持ちになってしまった以上、予防薬で出来る限り発作を抑え、いざという時には、吸入器と内服薬で直ちに容体を落ち着かせる必要が出てきます。

勿論、いずれも医師の診察を受けた上で処方される薬でなければならない訳で…
こうなれば、「主治医なしでは生きられない」と言っても過言ではないでしょう。

多くのぜんそく患者が、常備薬のように処方される内服薬が「テオフィリン製剤」です。

テオフィリン製剤とは、「PDE阻害剤」です

「テオフィリン製剤」は、気管支拡張や呼吸中枢刺激のできる医薬品です。
気管支が炎症を起こし、激しい咳や呼吸困難に陥るぜんそく発作には特に、最適だと言われています。


ぜんそくと「テオフィリン製剤」のメカニズム

気管支は、「cAMP」という体内物質の働きにより、一定の空間を保っている。

(呼吸が円滑にできる状態)

「cAMP」に「PDE」という酵素が接触すると化学反応を起こし、拡張作用を持たない別の物質に変えられてしまう

(呼吸が円滑にできない状態)

PDE阻害剤である「テオフィリン製剤」により、化学反応を抑え、cAMPが正常に働けるようにする

(ぜんそくの薬を飲む)

気管支は再び広がり、発作が治まる


ぜんそくの発作というのは、比較的気分がリラックスしている時に出る場合が多いです。

その時、咄嗟に目の前にあるコーヒーや紅茶、あるいは緑茶でテオフィリン製剤を服用される方がいらっしゃるわけです。

これでは発作が治まるどころか、命に関わる重篤な副作用を引き起こす可能性も低くありません。正に自殺行為です。

次回、コーヒーでぜんそくが治るという噂について掲載していきます。

written by M.YAMAMOTO