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薬の飲み方を知る(最終回)抗血栓薬と納豆の危ない関係1/1

薬の飲み方を知ろう企画として、「降圧剤と柑橘類」や「ぜんそくの薬とコーヒー・紅茶・コーラと言ったカフェイン含有飲料」との危険な関係について、6回にわたって掲載してきました。

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お薬シリーズもついに完結編、最後はサラサラ血液を作るものが、ドロドロ血液を作るというお話しです。

血液をさらさらにする食べ物と言えば…納豆でしょう!!

心筋梗塞や脳梗塞、肺血栓など、血管が詰まって倒れる病気の大半の理由。
それは、知らず知らずの間にどろどろになった血液が徐々に凝固し、「血栓」と呼ばれる血玉ができるからに他なりません。

かと言って、血栓が作られないカラダでは、そんな大病をしなくても、軽く指を切っただけで天国へ送り込まれるかも知れないのです。

やはり、いざと言うときに弁となって、多量の出血を堰き止めてくれる血栓は必要です!

問題は、その数と大きさです。大型のものが大量にあると危険だということなのです。

そこで納豆の出番!

納豆独自の成分であると言っても過言ではない、その名もズバリ「ナットウキナーゼ」は、この血栓を溶解する働きを持っています。

しかも、納豆の優秀なところは、3対1程度の割合で、ビタミンKもしっかりと含んでいるところ!

このビタミンKは、血液凝固作用を有する

つまり、大きな血栓は溶かすが、完全には溶かさないということです。
怪我をしても安心の状態で成人病予防が出来るという訳です。

実に優秀な納豆。
当然のことながら、心筋梗塞や脳梗塞で倒れた人にしてみれば、幸いにも取り留めた命を大切にするためにも、今後はたっぷり食べて、病気の再発を予防したいところでしょう。

でも、納豆食べ過ぎると駄目なんです!

心筋梗塞や脳梗塞を一度発症すると、部分的に損傷した血管を通らなければならない訳です。

当然、血流は悪くなり、血栓はできやすくなります。

もはや納豆なんぞに頼っていられる状況ではないということで、「ワルファリン」と呼ばれる血液抗凝固剤が処方されます。
一生飲み続けなければなりません。

「ワルファリン」は、血が固まらないようにするお薬!

ようするに、薬物の力を借りて、さらさら血液を作ろう! 維持しよう!という作戦に打って出る訳です。


ワルファリンは納豆(ビタミンK)が嫌い!関係性メカニズム

ルファリンにとって、せっかく溶かした血液をほどよく固めようとするビタミンKが、実に鬱陶しい存在。ついには、全く溶解作業をしなくなってしまう

元々固まりやすくなってしまっていた血液は、ビタミンKのサポートを受け、どんどん凝固されていく

無論、納豆キナーゼも頑張るが、とても処理できない状況になり、再び血管は詰まる!


こうした事態を招く可能性が高いところから、ワルファリンを服用する身となれば、納豆が食べられなくなるという訳です。

関西人なら、どうってないどころか、納豆をパスする格好の理由になるかも知れませんが、関東人の方の多くは辛いものがあるかも知れません。

真の敵はビタミンK

真の敵はビタミンKです。納豆以外にも、避けなければならない食材は多数あります。

ほうれん草やキャベツと言った緑黄色野菜、それに、ワカメや海苔のような海藻類は、全体的にビタミンKを抱負に含んでいます。

そうなると、昨今人気の健康食品「クロレラ」も非常に危険です。

ワルファリンを服用する人は、市販のビタミン剤や、サプリメントを取り入れる場合でも、ビタミンK含有でないことを十分に確認することが必須でしょう。

身近で必須栄養素の一つとも言えるビタミンKを完全に除去する生活というのは、中々大変

この事が広く知られるようになった昨今、一つの社会問題が出て来ています。

それは、血液をサラサラにする薬「ワルファリン」を飲んでいる人たち全てが、自分は納豆が食べられないと思い込んでしまう事です。

これでは、納豆を製造している会社は困ってしまいます。

血液をサラサラにする薬と言っても、抗凝固剤であるワルファリンは特別

ワルファリンはそれこそ、心筋梗塞や脳梗塞を発症した重篤な状態の患者さんにしか処方されません。

「アスピリン」や「クロピドグレル」「チクロピジン」などは全て、抗凝固剤ではなく、抗血小板薬です。
そのため、納豆を食べても薬が効かず、異常血栓ができるという可能性は極めて低いのです。

むしろ、薬をサポートするためにも、1日1パックくらいは食べた方がいいでしょう。

という事で、降圧剤と柑橘類や気管支拡張薬とカフェインもそうですが、自分が服用している薬の用法を正しく知る事が第一です。

それを怠ると、食べてもいいものを我慢したり、食べてはいけないものを食べ、心身に多大なる支障を来す危険性があるからです。

written by M.YAMAMOTO