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漢方薬を知ろう!(第3回)「漢方薬と方剤の違い」と、「生薬の謎」1/1

よく、漢方薬と生薬の違いが分からないとおっしゃる方がおられます。また、「方剤」と「漢方薬」は同じものなのか? 違うものなのか? さらに、「生薬」と書いて、“きぐすり”と読むのか? “しょうやく”と読むのか? この辺りも実は定かでないという方は多いかも知れませんね。

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確かに、「生薬の力」などという宣伝文句の添えられた漢方薬も見掛けます。

ましてや、人によって“漢方薬”と呼ぶ人や、
“方剤”と呼ぶ人がいたり、
“きぐすり”と言う人もいれば、
“しょうやく”と言う人もいたりで、

きちんと区分出来ないのも致し方のないところだろうと思います。


“きぐすり” or “しょうやく”?


実際、日本語変換ツールがATOKであるこのパソコンでは、

“きぐすり”と入力しても「生薬」と漢字変換され、
“しょうやく”と入力しても「生薬」と出て来ます。

一体全体どっちが正しいんだ?となりますよねぇ!!

ところが、国語辞典で“きぐすり”と検索すると、なんと、“しょうやく”で調べろと指示されるではありませんか!! 

そこで、“しょうやく”と引いてみるとようやく、

植物・動物・鉱物などを、そのままで、あるいは性質を変えない程度に切断・破砕・乾燥するなどの簡単な加工・調製をして、薬用に供するもの。

という解説が出て来ました。

そうなんです、
どうやら「生薬」と書いて、“しょうやく”と読むのが 正しい日本語のようなのです。

昔は“きぐすり”と読むのが一般的でしたが、今は“しょうやく”と読むようにしているのだとか・・・。

そのため、中高年の方にとっては、“きぐすり”の方が親しみがあるかも知れません。
それに、国語辞典には“きぐすり”はなくても、
「生薬屋(きぐすりや)”という単語は存在し、「生薬を売る店」と解説されているのです。

つまり、「生薬屋(きぐすりや)」で売られるのが「生薬(しょうやく」という訳で、益々ややこしくなりそうです。

この問題については、もう、どちらでもいい・どうでもいい、というのが最も適当な回答になるのではないでしょうか!? 
ただし、生薬と漢方薬は明らかに異なります。


生薬とは?


まず、生薬というのは上記の通り、薬効成分を持つ天然物質の総称です。

ただし、必ずしも薬草のような植物とは限っていません。
マンシュウジカの角のような動物生薬もあれば、石膏を粉砕したような鉱物生薬もあります。

そして、それらの物質や物体を切ったり砕いたり、
あるいは、蒸したり煮出ししてエキスを抽出する作業を「修治(しゅうち)」と言い、中国や台湾では、日々その研究が続けられています。

ちなみに、マンシュウジカの角の場合だと、薄い輪切りにして用いるのが一般的です。


漢方薬とは?


生薬単体では漢方薬になりません。
あくまでも民間薬であって、高麗人参やドクダミを煎じて飲むというようなのは、その典型的例だと言えるでしょう。

ならば、どうすれば漢方薬が出来るのか?と言えば、
答えは至って簡単で、2つ以上の生薬を調合すればいいのです。

ですから、先の例では、高麗人参やドクダミだけの煎じ薬は民間薬ですが、それを一緒に服用する形のものだと漢方薬になります。

ただし、現実には、たった2種類の生薬で調合されている漢方薬というのは殆どなく、
複数の生薬を組み合わせる事により、特定の病態に効果効能を発揮するように作られています。

しかも、生薬は必ず自然界に自然に存在する物質でなければならないというルールが定められているのです。

そこで、どんなに効き目があると分かっていても、化学物質を混ぜることは絶対に許されません。
恐らく、その点が最も安心安全という観点から支持される部分なのでしょう。

ですが、生薬の種類と割合だけではなく、品質そのものが漢方薬の善し悪しを決めるのは否めません。

つまり、
いくら理にかなった調合がされていても、必ずしも効果・効能が得られるものを入手できるという保証はない、という事です。


漢方薬と方剤の違いは?


最後に、方剤と漢方薬の違いですが、
これはあえて追求する方がナンセンスであると言えそうです。

というのも、方剤というのは調合薬そのもののことで、
漢の時代に確立された漢方医学に基づいて調合される方剤が漢方薬、ということになるからです。

少なくとも日本においては、漢方は漢方薬を作るために存在する理論である、という解釈になるでしょう。

そんな中、
予め調合されて薬局の店頭に並んでいる所謂 市販の漢方薬、これが方剤で、個々に合わせた調合で作るのが漢方薬であるとおっしゃる薬剤師さんもおられます。

確かに、正当なる漢方薬は、個々が持つ治癒力を引き出すため、体質改善などに勤しむものです。
従って、一人一人に違う調合のものが処方されなければなりません。
そういう点では、あえて万人向けの市販薬と区別するために、方剤という呼称を使用されているのかも知れませんね。

written by M.YAMAMOTO

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