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「2050年には死者数 1,000万人を超える!」薬剤耐性菌の問題をクリアできる存在は… その①1/1

2050年には死者数 1,000万人を超える!と推定されているのが、抗生物質が効かない薬剤耐性菌(多剤耐性菌)です。治す手段である薬が効かなければ…どうしようもないですから。今回は薬剤耐性菌について簡単にご説明していきます。

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“ペニシリンが商店で誰でも買うことができる時代が来るかもしれない”

そのとき、無知な人が必要量以下の用量で内服して、体内の微生物に非致死量の薬剤を曝露させることで、薬剤耐性菌を生み出してしまう恐れがある。

ペニシリンを発見したアレキサンダー・フレミング氏
(1945,ノーベル医学生理学賞受賞講演にて)

耐性菌による死者数は現在、世界で70万人に上っています。

薬剤耐性菌とは、抗生物質が効きにくい肺炎球菌や大腸菌などのことです。
これは抗生物質の服用を続けることで発生します。

菌に耐性ができ、抗生物質が効かなくなってしまうわけです。

非常に厄介ですよね。
さらに、最近の中には単体だけでなく、複数の薬に対して耐性を持つ「多剤耐性菌」なる強力な存在も確認されていると言いますから…なんとも脅威な存在です。

どんなお薬も効かなければ、治療のしようがありません。

政府は今、薬剤耐性菌に対して2つの計画を発表している

  • 政府の政策①
    2020年までに、抗生物質の使用量を2/3に減らすこと
  • 政府の対策②
    薬剤耐性菌に効果のある新薬を開発すること

今以上の広がりを予防するために、抗生物質の使用量を減らし、そのスピードを緩やかにする方法と、新たな薬の開発ですね。

ただ、新しい抗生物質が開発されるのは数十年後でしょうし、それが開発されたとしても、また耐性ができてしまうという イタチごっこになる可能性は否定できません。

『イラク、シリアの現状』

紛争地帯であるイラク、シリアからくる患者の方々はもっと過酷な状況を招いています。

両国からくる患者の約半数の方が、多剤耐性菌をもってしまっているのです。

その理由は主に4つあげられます。


【イラク、シリアで多剤耐性菌が増加している理由】

① 紛争により、集団で避難したことで病原菌が広がりやすい環境が作られている
② 病院の破壊、衛生水準の悪化が不衛生な治療環境を作り出している
③ 医師による抗生物質の多用
④ 市販薬として流通したことで、患者による乱用が起きた


菌は何回も抗生物質にさらされると、次第に防御方法を取得していきます。

菌が薬剤耐性をもつと、どういったことになるのか?
つまりはこういうことです。


菌が薬剤耐性を持つ流れ

【我々の人体】
善玉菌・悪玉菌の両方が存在する

【抗生物質を投与】
善玉菌・悪玉菌の両方を攻撃する

(悪玉菌に耐性ができる)

【抗生物質を投与】
薬剤耐性をつけた菌のみが生き残るようになる

生き残った耐性菌が、他の菌に防御方法を伝達、次第に薬が効かなくなる

治療が難しくなる


イラク、シリアの両国ではこれに加え、
病原菌が広がりやすい環境にあるだけでなく、病院破壊で医療の衛生水準が悪化している状況です。

イギリス政府は2016年5月18日、「このままいけば薬剤耐性による2050年の死者数は1000万人以上になる」と、発表しました。
あくまでも試算数値なので実際に起こるわけではないとは思いますが、これはガンによる死者数を超えた数値です。

次回の記事では薬剤耐性菌の予防・対策方法を掲載していきます。

written by 執事