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漢方薬を知ろう(その8)「薬物性肝障害」の実態1/1

副作用がないとか少ないとかと言われる事の多い漢方薬ですが、実は実は、これはとんでもない間違い!特に、最も危惧されるのが肝臓への影響です。 実際問題、薬物による肝障害のリスクは、決して低くありません。「薬剤性肝障害」や「薬物性肝障害」という診断名があるほどです。

急増する中毒性肝障害

肝臓学会では元々、薬剤の副作用による肝障害を“薬剤性肝障害”と呼んでいました。
しかし、前回ご紹介したように、漢方薬にとどまらず、サプリメントや健康食品という位置づけで市販される物にも、そのリスクはあり、被害が出始めました。

  • そこで昨今、さらに広く注意を促すべく「薬物性肝障害」という呼称に改めたのです。

この薬物性肝障害には大きく分けて2つ、中毒性アレルギー性があり、この中毒性は正しく、薬中毒によって引き起こされるものです。

どんなに健康体で、向かうところ敵なしのような強靱な人でも、使用法や使用量を誤るだけで、簡単に発症してしまいます。
ましてや、あくまでも薬ではなく食品なので人畜無害のように言われる健康食品やサプリメント! 
ついつい油断し、過剰摂取したり、飲み合わせも考えず何種類も飲用される方が後を絶ちません。

結果、肝機能を痛められる方も後を絶たないという訳です。

肝臓は思っているほど強くはない

ならば一体何故、漢方薬やサプリメントの過剰摂取による肝機能障害が起こるのでしょうか?

その答えは至って簡単で、肝臓は私たちが思っているほど強靱ではないという事です。

体内に取り込まれた薬物の大半は、肝臓に運ばれ、そこで毒素が抽出された後、全身に配分されます。
ところが、一度に多量の、あるいは、何種類もの薬品やサプリメントなどを飲むと、肝臓の代謝能力を上回ってしまい、肝機能自体が疲弊してしまうのです。

信じがたいと思われるかも知れませんが、たった一度のミスでも重篤な肝障害を引き起こすケースもあるほどです。風邪薬を大量に飲んで自殺出来るのが何よりの証拠です。

「アレルギー性肝障害」もある

ならば、漢方薬は使用量や使用法さえ守っていれば安全安心なのか?と言うと、これがまた、そうもいきません。

確かに通常は、肝臓で処理出来るため、大事に至ることはないでしょう。ただ、もし、その中に身体が異物と見なし、必死に抵抗使用とする物質が紛れ込んでいたらどうでしょうか?

肝細胞はなりふり構わず戦いますから、やっぱり参ってしまいます。

これが「アレルギー性肝障害」と呼ばれる症状で、特に多種多様の生薬が調合されている漢方薬や多種多様の成分が配合されているサプリメントにおいては、医薬品以上にリスクの大きい副作用なのです。

ところが、中毒性とは異なり、このアレルギー性は、使用法や使用量を守っているがために、患者自身は疑う事がありません。体の中で密かに戦いが繰り広げられていきます。
しかも、初期の頃は、自覚症状が殆ど出ないのが特徴です。
そのため、健康診断などの血液検査で初めて発覚するというケースが後を絶たないのです。

しかし、その時点ですでに肝不全間近という事もしばしばで、オーソドックスな薬品性肝障害となっているという訳です。

漢方薬の副作用による肝障害を早期発見するには?

ならば、どうすれば、こうした肝障害をいち早く察知する事が出来るのでしょうか? 

それには、やはり早期に自主的に医療機関で検査を受けるよりないと言えるでしょう。

  • 異変に気付いたら、直ちに病院へということです。

さらに、新しい漢方を飲み始めて1ヶ月くらい経過をみて、場合によっては異変がなくても医療機関を受診するのが望ましいと言えます。
特に、悪くもならないが、良くもならないというように、異変がない時ほど検査を受ける必要性は高まると言えるでしょう。

そして、肝障害の疑いがあると診断された場合には、即、服用をストップ! 

  • 実は、早期なら、単に服用をやめるだけで、肝機能の自然治癒は十分に可能なのです。

ところが、人間というのは欲深い生き物で、薄々異変に気付いていても、本格化するまで服用を続ける方が少なくありません。

中には、悪いと分かっていても、頑固に飲み続ける方もおられます。

恐らく、痩せたいとか、冷えや浮腫を改善したいという強い願望からくる行為で、ある意味、根性ある行為です。
しかし、それだけの根性があれば、生きてさえいれば、いつかきっと、ダイエットには成功します。冷えやむくみも改善出来るでしょう。
にも関わらず、服用や引用を続けることで、死にも至るケースもある、ということを強く認識して頂きたいと願わずにはいられません。

written by M.YAMAMOTO