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渦中にあったレッドブル、飲めば軽度の精神病を克服する力となる?1/1

統合失調症は、非常に苦しい精神病です。 主にドーパミンD2受容体拮抗作用を持つ抗精神病薬、および副作用が少ないと言われる第二世代の非定型抗精神病薬によって症状は回復していきますが、一方で、望まれない副作用を経験し、かつ、治療薬では改善しない人々がいます。

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したがって、統合失調症を備えた何百万もの人々の苦痛を軽減する新しい治療法を 世界的に向けて開発することが必要とされています。

最近、一時期話題になったレッドブルが「ウツや統合失調症などの精神病患者の治療に有効であった」という報告が上がっています。

研究は、「レッドブルにはタウリンやアミノ酸が含まれているので、神経を保護してくれる」という内容のものです。今年の国際早期精神病協会で発表されました。

【研究概要】

オーストリア・メルボルンで、科学者たちは初期段階の精神病を患っている18~25歳までの若者86人を対象にレッドブルの効果を検証しました。

彼らに毎日1回、4gのタウリン、もしくは偽薬を渡して飲んでもらいました。(タウリン群47・偽薬群39)

結果、タウリン群の精神病スコアの症状が改善を見せました。
ただし、認知機能には効果が見られませんでした。

著者らは、
初期段階の精神病患者において、中核症状とウツを改善するためにレッドブルを飲むことは有益かも知れない
早期精神病の患者を対象とし、タウリンを使用したより大きな無造作研究をおこなっていきたい」と話しています。


非常に身近なエナジードリンクで早期の精神病を治療できる、嬉しい研究報告ではありますが、専門家は「この報告は曲解されかねない」と警告を発しています。


マイケル・ブルームフィールド博士(一般精神医学の臨床講師,臨床のリサーチフェロー(精神医学(UCL)の区分)は、次のように言いました。

非常に面白い研究成果ではありますが、まだ科学的な検証を十分に経験していない研究は注意程度に扱われるべきだろう。

また、レッドブルには砂糖、およびカフェインがたくさん含まれていることを思えば、レッドブルをタウリンの代替先とするのは望ましくないと思われる。
この情報を信じてレッドブルをたくさん飲む精神病を患った人が、のちに糖尿病になる危険性が高い。

そして、カフェインを多く摂ることは、メンタルヘルス(睡眠と不安)に特に有効ではない。

ただしこの研究は、タウリンが統合失調症の潜在的な原因の一つとして知られているタンパク質「NMDA受容体」に良い干渉を及ぼすかも知れないという可能性を示している。

これは面白い。もしかすると、将来の研究対象になるかも知れない。

ラヴィ・ダース博士(精神薬理学,UCL)のコメント

レッドブルに含まれているのはタウリンだけではない。
カフェインや砂糖などの甘味料が多く含まれている。

今回の研究であったタウリンの摂取量(4g/1日)を摂取しようと思えば、レッドブルを1日4缶も飲む計算になってしまう。(※ 外国で販売されているレッドブルにはタウリンが1g/1缶 含まれている)

従って、今回のタウリンの影響をレッドブルで推定することは好ましくない。

これは、「レスベラトロールのようないくつかの有益な合成物を含んでいる」という事実に基づいた、酸化防止剤を含んでいる赤ワインと同じ論理的に誤った考えです。

タウリンは、軽度の精神病をもっている人に有益をもたらすのかも知れません。
が、タウリンの補給先としてレッドブルは適しません。

タウリンは有効かもしれませんが、レッドブルは摂取先として相応しくないようです。

written by 執事

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