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食べすぎる・食べられない、摂食障害は18歳未満の子たちだけの問題ではない。今注目の集まる未来の医療技術1/1

摂食障害は18歳未満の若い人たちだけの問題ではない。彼女たちは沈黙し、苦しんでいるー 一般的に、10歳代の若い女性が外見を病的に気にすることで引き起こされやすい、と思われている摂食障害ですが、これは何も若い女性だけに起こることではありません。

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1つの環境要因は、日常生活の変化かもしれません。
変化からくる不安は摂食障害につながる可能性があります。

ミス・フィールド氏

ニューヨーク大学のUniversity College LondonIcahn School of Medicineが、40〜50歳代の英国女性 5,300名以上を対象にした摂食障害の調査で、

15.3%(ほぼ6にんに1人)が、摂食障害を抱えていた

という結果が報告されています。

幼児期に親が死亡した、などの要因を含め、幼い頃に母親からの愛情をほとんど与えられることなく育った場合、
離婚などの人生における感情的な変化が、過食症リスクを高めるトリガーとなっていた、と発表されています。

そしてこの研究でもう一つ判明したことは、摂食障害をもっている多くの女性が、医療サービスを利用していないということです。

摂食障害は我々が考えているよりも一般的なものかも知れない。
中年女性でトリガーとなっているのは、離婚などの外傷的なストレスです。

ロンドン大学のNadia Micali博士

Lifetime and 12-month prevalence of eating disorders amongst women in mid-life: a population-based study of diagnoses and risk factors | BMC Medicine | Full Text

オックスフォード大学の精神医学教授であるChristopher Fairburn氏は、こうも付け加えています。

母や娘との良好な関係は、過食症リスクを20%減少させる。
離婚は摂食障害のトリガーとなっているが、神経性過食症の治癒率は60~70%と高い。

過食症を軽減させる方法として、少ない量を複数回食べるなどの物理的に満足感を得ることで 食べる絶対量を減らす、などの方法もありますが、
今ではなんと、脳の神経に科学的にアプローチすることで、過食症を治療してしまおうという研究がおこなわれています。

脳の特定部分に、電気的な刺激を加える

摂食障害の治療、として脳の特定部位に電気刺激を加える「経頭蓋 直流電流刺激(tDCS)」なる治療が開発されています。

一言で言うと、摂食障害に対する電気ショック療法ですね。

ロンドンのキングズ・カレッジの心理学・心理・神経科学研究所のMaria Kekic博士は、

脳刺激技術は、障害の強迫的特徴に対する認知コントロールを改善することができる。1回のセッションだけで、症状と意思決定能力がはっきりと改善する。

と、述べています。

39名の摂食障害をもっている患者さんに対しておこなった研究では、衝動が31%低下と、たしかに効果は出たようです。

脳に電気刺激を加えて摂食障害を治療する…なんて聞くと、「なんかのギャグか冗談ですか?」と思われがちですが、
脳へマイクロチップを埋め込み、ストレスをコントロールしようとする試みはテストの段階ですが、すでにおこなわれています。

国内の理化学研究所でも、tDCS治療により、脳のシナプス伝達が増強されるメカニズムが解明されていることからも、tDCS治療がうつ病などの精神疾患に対しての新しい治療法となる未来は近いかも知れません。

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マイクロチップもありますし、これからは今以上に、脳への科学技術介入の賛否が問われる時代に突入するでしょう。

ちなみに、脳に電気刺激を与えることのできるtDCS機器はすでに製品化されており、誰でも家庭用として購入することができます。

微弱な電気刺激が脳を活性化する仕組みを解明 |