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少数でも支援が必要な「 遠位型ミオパチー」の今・第1回1/1

階段を上って電車に乗ろう。あの段差のある所を通ろう。そんな当たり前のことにも、介助を必要とする病気の方々がいます。疾患の型によっては治療法が開発されつつある遠位型ミオパチー。その研究は、継続的な支援を必要としています。

いくつかの型がある、希少な難病

遠位型ミオパチーに関して、症状をよく知り診断できる医師はそれほど多くありません。

様々なデータを合わせてみると、
日本国内に患者数は300~400人、人口当たりでみると約32万人弱に1人といわれているのが遠位型ミオパチーです。

いずれの型でも手足の筋力が低下し、日常生活に介助が必要になってきます。

  • 日本で確認されている代表的な型
 

三好型

DMRV

眼咽頭遠位型

遺伝

常染色体

劣性遺伝

常染色体

劣性遺伝

常染色体

優性遺伝

発症時期

15~30歳

15~30歳

50歳以降

初期に症状が出る筋肉

腓腹筋

前脛骨筋

眼、顔面、咽頭筋、上下肢遠位筋

高CK血症

高度

正常~軽度

正常~軽度

筋線維壊死

高度

軽度

軽度

再生繊維

高度

軽度

軽度

縁取り空胞

なし

高度

あり

タイプ1線維優位

なし

あり

ほぼなし

  • 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)

前脛骨筋がもっとも侵されやすいためつま先が上がりにくくなり、足先が垂れた歩き方になります。

筋肉の萎縮は10歳前後から始まっていると考えられていますが、自覚するのは遅れることも多いようです。
発症後10年くらいで歩くことが困難になります。

  • 三好型筋ジストロフィー(MMD)

初期の症状としては、

爪先立ちができない、
ジャンプすることができない、
走るのが遅くなる、

などがあります。

こちらも発症後10年で歩くのが困難になりますが、
人によっては発症して10年経過後でも歩行が可能な患者さんもいるようです。

  • 眼咽頭型遠位型ミオパチー

上まぶたを持ち上げる筋肉が弱くなり、

黒目の半分以上が隠れて眼が大きく開かなくなる、
口に入れたものを飲み込むのが困難になる

などの症状が出ます。

原因遺伝子は不明ですが、遺伝で現れやすいことが分かっています。

現在、治療法開発のための資金が足りていない状況

研究者によっては1000人以上いると推定する人もいますが、日本に多い型のうち縁取り空胞型・三好型は劣性遺伝する型。
発病しない、自覚をすることもない保因者の人は、日本の人口を1億人として計算した場合、500人に1人います。

今後も、毎年少しずつ患者さんが出てくることになります。

DMRVに関しては、「シアル酸の投与で発症を相当に防げる」という結果がマウスを使った実験で分かっており、ヒトでの治療効果を調べるために臨床実験が計画されています。
そのためには 1人でも多くの患者さんの情報が必要となっているところです。

2009年に国立精神・神経医療研究センター神経研究所のチームが、DMRVの症状を起こすモデルマウスをつくり、
シアル酸の投与で発症を防ぐ実験に成功するところまできてはいますが、
患者数があまりに少ないため採算が見込めないという理由で、製薬会社は出資に見向きもしませんでした。

国の省庁ですら、国内の患者数が1000人に満たない希少な病の治療薬開発には、
患者数が同程度の他の希少疾病の開発と合わせて「総額が」2億円という資金を2012年に提供するにとどまっています。


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written by 硝子の猫

次回の記事では、他の型の治療法開発についてもご紹介しようと思います。
それではまた。

参考