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全ての物事を記憶してしまう『ハイパーサイメシア(超記憶症候群)』を紐解く ①1/1

私たちは一週間前のことはもちろん、昨日のこともよく思い出せなかったりします。試験勉強では覚えるべきことを何度繰り返しても忘れてしまい、仕事の予定は手帳やスマホなしでははかどりません。

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 ところが、世の中には自分の身に起きたことを全て記憶してしまう人が存在します。
彼らは自分の過去のデータベース化し、日付やイベントなどの詳細を全て覚えているのです。

それは単に記憶力がよいという次元ではありません。

はっきりとした原因はわかりませんが、彼らは超記憶症候群と呼ばれ、世界中で数名確認されています。
ちなみにハイパーサイメシア(HS)とはギリシャ語が由来であり「極端な記憶」という意味だそうです。

超記憶症候群の例

Nさん(仮名)は過去15年間の出来事を記憶しています。

日付を指定すれば、自分がその時何をしていたのか?どんな服を着ていたのか?そして、その日の天気までをも、答えることができるのです。

彼女は自分の記憶について説明します。

私の記憶はVHSテープのライブラリーのようなもの。
朝目覚めてから夜寝るまでの間に、その日何をしていたのかを詳細に思い起こすことができます

The Woman Who Could Not Forget – (8:59)

このような完全記憶能力は「超記憶症候群」と呼ばれ、神経科学者から大きな関心が寄せられている希少難病です。

その初めての報告例はジル・プライスという一人の女性でした(2000年)。
彼女はなんと、12歳から起きた出来事すべてを思い出すことができたのです。

なぜこのようなことが起こりうるのか?

科学的に明確に明らかになっているわけではありませんが、
これと似た症状をもつ『サヴァン症候群』という発達障害があります。

サヴァン症候群


自閉症や知的障害を持っている人の中で、ごく特定の分野に限って常人では考えられないような記憶力を発揮する者のこと。すべての自閉症・知的障害をもっている者がこの能力を持っているわけではない。
サヴァン症候群を持っている者は世界でも数十〜数百人程度とみられている。

鉄道の景色を記憶だけで細部にわたって描ける福島尚さんのように、サヴァン症候群の方は限定された完全記憶能力をもっているのが特徴です。

その他、音楽を一度聞いただけで完全に再現できたり、並外れた暗算能力をもっているケースもあります。

その並ではない記憶能力が、超記憶症候群の症状と似ていることから、超記憶症候群=サヴァン症候群ではないか?と、考える方もいらっしゃいます。

が、サヴァン症候群が限定された完全記憶能力であるのに対し、超記憶症候群は限定されていない完全記憶能力です。そして、超記憶症候群の方は 自閉症や知的障害をもっているわけではありません。

両者のもつ特性を比べてみると、別のものである可能性が高いでしょう。

ただ、もしかすると記憶のメカニズムには少しばかり関連性があるかも知れませんが…ということで次回、完全記憶能力について更に掲載していきます。

written by Akiko