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少数でも支援が必要なミオパチー研究の現状・第2回1/1

今回は、同じく希少な疾患、三好型以外の筋ジストロフィー研究の現状をご紹介します。具体的な治療法には至っていないものも多いですが、疾患の原因となる遺伝子、物質の構造などが1つ1つ解明されていっています。

ジスフェルリン異常症での進展 

遺伝性の疾患。
医学の素人には一見、防ぎようのない、一生付き合っていかざるを得ない病気に見えます。

しかし東北大学・京都大学などの研究チームによって、まだまだ研究段階ではありますが、疾患の原因になる遺伝子や物質が一歩一歩解明されています。

その一つが、ジスフェルリン異常症。
DYSF遺伝子の変異により引き起こされるミオパチー(*)です。

この疾患の症状があっても、従来の遺伝子検査では DYSF遺伝子の変異が確認できるのは全体の60%。残りの40%の患者さんに関しては変異が確認されず、原因不明のままでした。

2015年、東北大学のチームは次世代シークエンサーを用いて、筋疾患と関連のあることが知られている42遺伝子を対象に解析を行い、ジスフェルリン異常症の原因となる遺伝子を新たに確認しました
さらに解析を継続し、この疾患のメカニズムを明らかにすることで、遺伝子が治療できる患者さんの増加が期待されています。

  • *「ミオパチー」
    病状の進行とともに、筋力の低下や筋肉の萎縮が生じる筋疾患の総称。
    ジスフェルリン異常症には、肢帯型筋ジストロフィー、三好型筋ジストロフィーも含まれる。

ネマリンミオパチーでの進展

ネマリンミオパチー。
先天性のミオパチーの中でも頻度が高い病気です。

心臓の筋肉にはほとんど現れないものの、
筋肉の収縮に関する構造タンパク質が壊れるため、全身の筋力が低下します。

2013年にも横浜市立大学のチームが 原因遺伝子10個を特定しましたが、25~30%の症例では、遺伝的な原因は不明とされていました。

しかし2016年、同大学のチームは全エキソーム解析により、
2013年特定したものとは別の原因遺伝子、MYPN遺伝子を特定しました。

この研究により、ネマリンミオパチーの早い時期での診断、治療の介入につながることが期待されています。

ベッカー型筋ジストロフィーでの進展

2015年、フランスで報告されたデータです。

ベッカー型筋ジストロフィーを起こす因子になる遺伝子変異がありますが、
この一症状である拡張型心筋症は、変異によるタンパク質の発現量の違いよりも
遺伝子変異の場所による、タンパク質の構造の変化が症状に影響を与える可能性があることが分かりました。

薬の開発の方向性に影響を与える重要な情報となっています。


このように、様々な疾患で新しいことが解明されています。

明るいように見えるかもしれませんが、
実用的な治療法に至るまでには、まだまだ途中の道のりです。

すべての人に、自分のからだを自分が動く自由を届けるには、これからも継続的な支援が必要なのです。
興味を持たれた方、寄付をしてもいいという方はぜひ、支援をお願いいたします。


  • 筋ジストロフィーの研究・治療法の開発を応援したい方は

(理事長をやっていらっしゃる医師の診療所HPですが、最後に寄付をする際の連絡先・払い込み口座などが載っています)
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written by 硝子の猫

出典