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夏・特別企画『人』はこうして作られる(第4回)人の元『卵子』は強運のカリスマ1/1

前回、『精子』は、お父さんの遺伝子の配達人であるという話をしました。そして、その精子が遺伝子を届ける先、それがお母さんの『卵子』です。 卵子は、その名の通り、あくまでも卵の卵であって、精子から遺伝子を受け取って初めて生命の源である『受精卵』になります。

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【前回の記事】

『卵子』は、人体最大の細胞!

そもそも『卵子』は、精子と同じく女性が持つ生殖細胞の一つで、正式には『卵細胞(らんさいぼう)』と呼ばれます。

「卵子」という表現は、男性の持つ精子に対応するための通称なのですが、今ではすっかりこちらの方が有名になりました。

なので、今回の勉強会でも、卵細胞ではなく、『卵子』と呼ぶ事にします。

卵子は0.1ミリ以上の大きさがあるため、精子からみれば、20倍も大きい立派な細胞!! 

精子ばかりではありません。細胞組織ではなく、あくまでも単体細胞である卵子は、人体の全ての細胞の中でも、ずば抜けて大きい細胞なのです。

しかも、この卵子、精子のように、お父さんがある程度の年齢に達してから製造開始するというものではありません。
なんと、お母さんがお母さんのおなかの中、つまり、おばあちゃんのおなかの中にいる間に大量に作られ、後は、それを消費する形になります。

そのため、実はママより、生まれて来た赤ちゃんの方が遙かに沢山の卵子を持っている事になるのです。

赤ちゃんは卵持ち!

とは言っても、卵子は端から卵子として貯蔵されている訳ではありません。

原子卵胞(げんしらんぽう)』という袋の中に一つずつ大切に入れられていて、赤ちゃんの場合は、この原始卵胞が、お母さんの持つ原始卵胞の数より圧倒的に多いという事です。

尚、先の卵細胞と同じく、原始卵胞も、一般的には『卵胞』と呼ばれるため、やはりここでも、馴染みのあるこの呼称を使う事にしましょう。

私たち女性に神が与える卵胞の数はなんと500万個から700万個!! 

胎児のうちに、子宮の一角である卵巣の中に畑を作り、そこにこれだけの命の種が巻かれるのです。

ただし、その全てに水や栄養を与えて生命維持させて上げるのは至難の業で、残念ながら、オギャーっと産声を上げた時には、すでに3分の1程度にまで減少してしまっています。

  • 赤ちゃんが持つ卵胞の数は、だいたい約200万個です。

その後、自然消滅が延々と続き、肝心要の結婚適齢期を迎える頃には、赤ちゃんの10分の1くらいにまで減ってしまっています。

私たちがこの世に生を受ける時にお母さんが提供してくれた卵子は、残り少なくなった貴重な卵子の一つであったかも知れませんね。

卵子は育てるもの

さてさて、そんな卵胞から作られるのが『卵子』です。

お父さんの精子は、睾丸という工場の精巣部隊で製造されていましたが、ではでは、お母さんの卵子製造工場は、どこにあるのでしょうか?

実は卵子の元である原始卵胞は、元々あるものですから、わざわざ作る必要などないのです。
そこで、製造ではなく、『育てる』という形になります。

思春期になると、月に一度、卵巣の一角に広がる原始卵胞畑の中から育ちの良さそうなのを300個ばかり採取し、それを刺激して大きくするということが試みられます。

残された原始卵胞は、その後も水と肥料の撒かれる畑で成長し、次なる収穫の時を待つのです。

卵子は強運のカリスマ

そして、その選ばれた原始卵胞を刺激するのが『卵胞刺激ホルモン(らんぽうしげきほるもん』! 

別名『FSH』と呼ばれるホルモンで、それが脳の下垂体で生成されては卵巣に送り込まれ、それを帯びた卵胞の中の卵子は、急激に成熟して行きます。

  • これだけの数の卵胞があれば、中々平等にホルモン刺激を受けることが出来ません。

日当たりのいい場所や水回りのいい場所があるように、やはりFSHを十二分に帯びられる場所と、そうでない場所とがあります。

不幸にも、刺激率の悪い場所にいた卵胞は、次々と死滅してしまいます。

その一方で、ホルモン当たりのいい場所にいた幸運な卵胞は、すくすく育ち、益々周囲の栄養を独り占め! 

そうして、最終的に、最も大きく成長した卵子だけが、命の源となれるのです。

そういう点では、命の素となる精子が強靱の英雄なら、命の元となる卵子は、強運のカリスマであると言えるでしょう。

そして、そんな素晴らしい精子と卵子から作られる私たち人間は、真の果報者ではないでしょうか!?

written by M.YAMAMOTO