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夏休み特別企画『人』はこうして作られる(第7回)精子の製造工場と精子の学校1/1

私たち人間がどのように作られるのかを知る夏休み特別企画、第2部は、お父さんの持つ命の素である『精子』が、お母さんの持つ命の元である『卵子』の元目掛けて旅立つまでのお話しです。

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その前に…

卵子や受精卵を維持するお母さんの生殖器、『子宮』や『卵管』については説明しました。

が、精子を作って出荷するお父さんの生殖器、『陰嚢(いんのう)』や『陰茎(いんけい)』については、まだ詳しくご紹介していませんでした。

そこで、先にそちらをちょこっと覗いてみましょう。

男性生殖器と女性生殖器の違い

男性生殖器と女性生殖器の最大の違いは、裸になった時に目撃出来るかどうか!!

残念ながら、お母さんの持つ子宮や卵管・卵巣は、服を脱いでも見えません。
触ることも、基本的には出来ないと言っていいでしょう。

確かに、膣から指を入れれば、子宮頸部の先端には触れられますが、その全形が掴めるほど明確な触感を得るのは不可能なのです。

それに対し、男性生殖器は、パンツを脱いだ瞬間、全貌が掴めます。

何故なら、その大半が手足のように、身体表面に堂々と形成される『外部生殖器』だからです。
さらに、『内部生殖器』のメインである『精巣』も、皮膚越しではあるものの、手で触ってその形状を把握することは容易だと思われます。

加えて、女性の生殖器は全て、子孫繁栄のためだけにあるものですが、男性の場合、その一部は泌尿器系の機能も兼ね備えています。これも大きな違いだと言えるでしょう。

こうした事からも、男はどんなに弱々しく見えても、実は堂々たる生き物で、女性はどんなに強そうに見えても、守られるべき生き物であることが分かります。

精子の製造工場『精巣』の構造

お父さんの生殖器は、「ペニス」と呼ばれる事の多い『陰茎』と、その根元に付帯しているような『陰嚢』と呼ばれる袋から成り、この陰嚢の中に、精子の製造工場である精巣が大切に入れられています。

硬い繊維から出来ている伸縮性のない白膜に覆われた精巣は、別名『睾丸(こうがん)』と称され、長さ約4センチから7センチ、幅約2.5センチの卵形で、その容積は20ミリリットルから25ミリリットル。

ちょうど果実の李のような形と大きさと言ったところでしょうか!? 
所謂「たまたまちゃん」なる物体です。

そして、睾丸の中には、多数の『精細管(せいさいかん)』が入っており、その中で精子は作られ、貯蔵庫へと送られます。

つまり、この管こそが精子製造ラインであって、その周辺は、

『テストステロン』などの『アストロ減』と呼ばれる男性ホルモンの分泌を促す『ライディッヒ間細胞』によって支配されている

と言って過言ではないでしょう。

精子の製造工程

因みに、別名『曲精細管(きょくせいさいかん)』と呼ばれるこの精細管は、直径約0.2ミリから0.3ミリほどの細い管ですが、長ければ長いほど沢山の精子が作れます。

そこで、数十センチあるものを細かくうねらせるような形で入れ、それらが絡まないよう、『精巣中核』というパーティションで仕切るという構造になっているのです。

『小葉(しょうよう)』と呼ばれるこの仕切られ場小部屋の数は、200から300あって、その中に3本から4本の精細管を設置していますから、1人の男性が有する精子製造ラインは2000本を優に超える事になるでしょう。

そのラインにまず、精子の元になる『精粗細胞(せいそさいぼう)』という細胞と、それを育てる『セルトリ細胞』を準備し、それらを周辺のライディヒ細胞が、せっせと刺激して精子という生命体を作って行くのです。

そして、出来上がった精子は、各部屋の精細管出口が集合する『直細管』を通過し、『精巣網(せいそうもう)』というフィルターから精巣輸出管に送られた後、貯蔵庫である『精巣上体(せいそうじょうたい)』に送り込まれます。

『精巣上体』は精子の学校!

一方、睾丸の外側上部は『精巣上体』と呼ばれる長さ5センチから6センチ程度の円錐形の形をした組織が後方に掛けて張り付いているため、正しく卵がとんがり帽子を被っているような形になっています。

そして、内部には長さ6メートルにも及ぶ細い管が通っていて、10億個程度の精子を貯蔵出来るようになっているのです。

ただし、『副睾丸(ふくこうがん)』とも呼ばれるこの部位は、単なる精子の保管庫ではありません。

その実態は、なんと「精子の学校」! 

工場で作られたばかりの精子は、まだまだ未熟で、過酷な旅に出られるような知恵も体力も持ち合わせていません。

ここで何日か様々な勉強をし、訓練をし、旅立ちの時を待つのです。

そうして、精巣上体管の出口付近から始まる『精管(せいかん)』を通り、射精缶から、いざ出発進行です。

written by M.YAMAMOTO