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夏休み特別企画『人』はこうして作られる(第11回)精子たちは何故、集団で旅立つのか?1/1

命の芽生えから誕生までを担うお母さんのカラダがスゴい、素晴らしいということは、誰もが認めるところですが、命の素を作り、送り出すお父さんのカラダもやっぱりスゴい、素晴らしい!  男性の生殖器を改めて観察すれば、そう痛感せずにはいられないでしょう。私たち人間が作られる工程と、それに携わる部位には全て、十二分な意味があるのです。

精子は集団で、旅に出る

精子が一度に2億匹・3億匹の集団で射精されることにだって、ちゃんと理由はあります。
それも、単に日々大量生産されていて、有り余っているから多量に出しているなんて単純な理由ではありません。

精子は、未知の世界で沢山の敵と戦いながら卵子のもとへ向かいます。
時に大勢で攻撃することや、防御することも必要になるため、集団で旅立つのです。

生命誕生の鍵を握るのは1億分の500

実際に卵子のもとに辿り着き、生命の素となれる強靱な精子は、若くて健康な男性でも、そう大量に作れるものではありません。

例え1日に1億匹の精子を製造したとしても、『正常形態精子(せいじょうけいたいせいし)』と呼ばれる、受精能力を持つ精子は、その中のたった20パーセント! 
即ち、500万匹程度なのです。

そして、その500万匹の大半がメンバーにいなければ、生命の誕生は難しいと言えるでしょう。

小さな小さな精子が、未知の世界であるお母さんの体内に入り、過酷な条件の旅をする…たった1匹では勿論、ほんの数匹でも、全員が途中で様々なトラブルに巻き込まれ、命を落としてしまう可能性は低くないであろうことが容易に予測出来ます。

そこで、精子たちは毎回、「どれか1匹でも無事卵子との出会いを果たせるように」という願いを込め、1億匹以上の大集団で出かけるのです。

精子は溢れない

ここで少し余談になりますが、元々正常形態精子の製造率が低い男性の場合、一日置きから3日に1回のペースで射精するようにすると、優秀な精子がそれなりの頭数は揃い、新しい命の誕生がより一層望めるのだとか…!! 

また反対に、正常形態精子を豊富に作れる男性でも、10日以上射精をしないと、その運動率は衰え、健康体の精子の価値が下がると見られています。

つまり、精子は生ものなのです。
外気温の変化に敏感なのも、そのためです。

ただし、日々新しい精子が作られる中、射精しないと蓄積される一方で、貯まった古い精子が身体に悪影響を与えるなどと言われますが、決してそんなことはありません。

精巣上体が満タンになれば、古い精子から順々に分解され、体外へ廃棄されますから、溢れかえって鼻血が出るなどということはないのです。

恐らく、定期的に射精しなければ体調不良に陥るという方は、単に性欲が強いだけということになるでしょう。

written by M.YAMAMOTO