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夏休み特別企画『人』はこうして作られる(第12回)これが『射精』だ!『精液』だ!1/1

前回明らかになったように、お父さんの作る精子は正しく「鮮度が命の微生物である」と言えるでしょう。だからこその典型的アルカリ性物質です。 ところが、お母さんの膣内は強い酸性状態に保たれています。それにより、雑菌の繁殖を防いで、赤ちゃんを守れるようになっているのですが…、 精子にとっては生き延びるだけでも大変です。

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『精漿』は、神からの贈り物

それでも、新しい命の芽生えは本当に素晴らしいもので、多くの人がそれを臨みます。
無論、それを希望しない神様なんていません。

そこで、神は精子たちに強い武器を与えました。
それが、旅立ちの日に必ず持たされる『精漿(せいしょう)』と呼ばれるアルカリ性の液体です。

恐らく多くの方がご存じかと思いますが、精子は何やら粘りけのある白っぽい液体状になって放出されます。

だからと言って、水や薬物に溶けている訳ではありません。
液状の分泌物と混合して旅立つと捕らえるべきでしょう。

この液体は、精子のエネルギー源となるものです。
栄養剤も入っていれば、バリアのように彼らを守り、泳ぎやすい環境を作る成分も入っています。

『精嚢液』と『前立腺液』

精漿の約3分の2を占めるのが、以前ご紹介した『精嚢(せいのう)』から分泌される『精嚢液』です。

これは糖分を多量に含む典型的精子の餌で、見るからに甘そう!! 
水飴のように強い粘り気を持っていて、彼らは、これを少しずつ消費しながら旅を続けるのです。

しかし、甘い物を食べると、満足し、ついついその後の動作が緩慢になってしまうのは人も精子も同じ!どうしても運動が抑制されてしまいます。

そこで、そんな精子たちを煽り「動きを促進する役割を果たす物質」として、前立腺から分泌される『前立腺液』なるものが添えられています。

前立腺液は、精嚢液とは正反対。非常にサラサラしてはいるのですが、『スペルミン』という独特の臭いを持つ物質を含んでいます。

且つ、乳白色で、見た目はとても綺麗には感じられません。

これが『精液』!

お父さんの精子が、白くて異様な臭いを放ち、おまけにねばねばしているのは、前立腺液の色と臭い、それに、精嚢液の粘りけが混じり合っているからなのです。

尚、精嚢の約7割弱が「精嚢液である」ということは、残る3割強は、基本的に「前立腺液」となる訳ですが、先の尿道球腺液や精管内の溶液が混じっているものと考えられています。

そして、精子は、この混合液の中を泳がされるようにして、お母さんの体内へと送り出されます。
これが『射精(しゃせい)』です。

因みに、1回の射精で放出される精液の量は人それぞれです。

時々によって大きく異なりますが、平均3ミリから4ミリ程度と見られています。
短時間に数回射精を繰り返せば、その量が減少するのは言うまでもないでしょう。

たまに、分泌液が少ない方が濃厚な精液だと思われておられる方もいらっしゃるようですが、それは誤解です。

精漿の量が十分でなければ、精子たちが卵子のもとに辿り着くのは難しいです。

written by M.YAMAMOTO