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『人』はこうして作られる(第15回)望まない妊娠を防止する身体機能と、妊娠を促進する身体機能。1/1

前回、「お母さんのカラダが望まなければ、新しい命の誕生はない」ということを記載しました。 実際、膣や子宮頸管の中が強い酸性で、精子にとって過酷な環境になっているのは、「芽生えた命を雑菌から守るためである」と同時に、「望んでいない妊娠を防止するため」でもあるのでしょう。

つまり、「お母さんの肉体に望まれずに生まれて来る赤ちゃんなどいない」という事です。
その証拠に、本気で赤ちゃんが欲しいと思えば、お母さんの身体は様々な努力を始めます。

ただし、それはお父さんの愛をお母さんが受け入れ、大切に育もうとして、初めて実践されることなのです。

お母さんの至福の一時- Turn of the golden witch

妊娠は、お母さん自身が幸せでなければうまくいきません。
お父さんに至福の一時があるように、お母さんにもまた、至福の一時があります。

それが、オーガズムという瞬間です。

ただし、「オーガズム」とも呼ばれる女性にとっての至福の一時は、男性のように目に見えて分かるものではありません。

お父さんのように、性交渉の度にほぼ毎回訪れる訳でもないので、実に「デリケートなもの」だと言えるでしょう。

しかし、その時が来れば、それまで引き締まっていた心身の緊張は突如緩み、膣内の筋肉が痙攣を起こします。
膣の中では、上下にヒクヒクと動く感覚があります。

これは正しく、お父さんの射精時のペニスと似たような現象ではありますが、男性の場合は、精子を送り出すための筋肉の収縮運動です。

女性の場合は逆、精子を取り込むために筋肉が収縮する運動です! 

お父さんが射精するペースに合わせ、ほぼ同じ間隔で子宮とその周りの筋肉がテンポ良く痙攣し、その波に乗るようにして精子たちは、お母さんの体内へと取り込まれて行くのです。

さらにこの時、膣(一番奥)の子宮頸部入り口付近では、バルーンが膨らむかのように拡張します。
精子の収集後、極力流れ出ないように、膣口が狭まるようになっているわけです。

即ち、お母さんの至福の一時は、命の芽生えを願う母胎ならではの反応の一つなのです。

女性の下り物、その正体

命の芽生えのためなら、我が身の環境を変えることも厭わないのが「母の肉体」というもので、その象徴とも言えるのが「下り物」です。

女性の下り物は、膣口から出て来る粘液や組織片の総称。それらは全て、内部生殖器、主に子宮内で発生しているものと見られます。

そのため、生理と同じく尿のように、自分の意思で出したり我慢したり出来るものではありません。
そこで、下着を汚す事を避けたい女性陣たちは、「下り物シート」と呼ばれる専用のナプキンで対処する訳ですが、正直、シートが鬱陶しいと思われる方も少なくないでしょう。

けれど、この下り物がなければ生命の誕生はない。

何故なら、排卵期にのみ分泌されるアルカリ性の『頸管粘液(けいかんねんえき)』こそが、精子を子宮へと導く女神だからです。

精子は子宮口に入らなければ、卵子の元に辿り着けません。

子宮の玄関口とも言えるのが、子宮口の先端から膣に繋がっている「子宮頸管(しきゅうけいかん)」で、ここを通り抜けるのが妊娠の絶対条件です。

ところが、この入り口は普段、「バルトリン腺液」と呼ばれる強い酸性と、粘り気を持つ粘液で埋め尽くされるようにして閉ざされています。

勿論、その目的は「子宮口に雑菌が入るのを防ぐため」です。
通常の下り物は、このバルトリン腺液が流出したものです。

バルトリン腺液から、頸管粘液へ

バルトリン腺液を放出している「バルトリン腺」は、膣口の左右に1対存在しています。

従って、膣分泌液の一つで、膣から子宮頸部を洗浄する形態を、通常時にとっている訳です。

お母さんのカラダが命の芽生えを望む「排卵期」になると、妊娠を防止するバルトリン液の分泌が抑制される!

その代わりに、子宮頸管の方で先の妊娠を促進する「頸管粘液」が、多量に分泌され始めます。
お父さんの精子の寿命を保たせるのに一役買ってくれるわけです。

「頸管粘液」は、子宮頸管から子宮口へと導く手助けもします。

生理後約2週間ほどたつと、それまで透明だった下り物が卵白のように白っぽくなり、量が増えます。

これは、「頸管粘液が十二分に分泌されている証」です。
精子はそこを泳いで、子宮口を目指します。

ちなみに、膣から子宮口の入り口までの距離は、精子が歩む全行程のおよそ4分の1に相当します。ミクロの世界では1.5キロ以上の長い道のりです。

が、「子宮頸管粘液」とも呼ばれるこの粘液は、透明で粘り気が少ないのが特徴です。
精子たちは、射精後わずか1分半ほどで目的地を目指せる抜群の状態になるわけです。

これが、従来のバルトリン腺液で満ちている状態ならば、射精した瞬間、精子は絶命してしまうでしょう。

即ち、妊娠のキーポイントは頸管粘液にあり!ということです。

written by M.YAMAMOTO