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徳永英明さんも発症したもやもや病、その症状と治療法1/1

歌手の徳永英明さんが手術をしたことで話題となったもやもや病。この言葉を聞けば、「心がもやもやする病気」とイメージしがちですが、実際は心の病気ではなく、脳神経系の病気です。

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もやもや病は、日本で初めて発見された病気です。現在も東アジア人を中心に多く発症しています。
内頸動脈および、椎骨動脈の枝によって構成されていて、発見者であるトーマス・ウイリスの名前から付けられた「ウイリス動脈輪」が徐々に狭窄・閉塞していくことで起こるため、俗に「ウイリス動脈輪閉塞症」とも呼ばれています。

もやもや病は若年性脳卒中の代表的な疾患です。国内における年間発症頻度は 0.35人/ 10万人。発症率は男性に比べ、女性は 1.8倍と女性の方が高いです。

また、東アジア人に多く、欧米人に少ないという民族間で発症頻度に違いがあります。

最近では早期発見の意識が高まりを見せているので、脳ドックなどで発見されるなどし、報告されている患者数はここ 10年間で約 2倍近くになっています。(難病情報センター,2003年

「発症数が増加している」とは言ってもこれはおそらく、今までに早期発見・早期治療の意識がなかった方々が検査を受けることで発見され、増加しているものでしょう。将来のリスクを考えると、これはいい傾向であるとの見方もできます。

もやもや病の発症年代のピーク

発症年齢のピークは 2期あります。

  • 1 期が 0~9歳の間。この時期では、全体の 60 ~ 80%に脳への血流が低下する「脳虚血症状」が出ます。
  • 2 期が 25~44歳の間です。この時期では、脳の血管が破れて出血を起こす「脳出血」が多く見られます。(厚生労働省

症状は出血部位により異なりますが、主に運動障害、感覚障害、けいれん発作、意識障害、頭痛などの症状が現れます。

これらの症状は 30歳代や 40歳代で発症する傾向にありますが、5歳前後の子供にも多く見受けられます。

小児発症の場合、過呼吸による「一過性の脱力発作」が主要症状です。
その他にも、精神発達遅延や知能低下、学習障害が顕著に見られることがあるため、もやもや病ではなく、「障害」と診断されるケースも多いです。

もやもや病、早期で発見することがとても大切です。

発見が早期であれば、適切な治療で治すことができる可能性が高いです。日常で下記のような症状が現れるようであれば、一度検査をしましょう。

  • 力がなぜか抜けることがある
  • 言葉がもつれる
  • 片方の手足の動きがわるい
  • 痙攣を起こす
  • めまい、頭痛

もやもや病の手術

もやもや病の手術には、直接的に脳の血行を再建する手術と、間接的に脳の血行を再建する手術の 2タイプがあります。

直接的に脳の血行を再建する手術】

  • 血流が低下した脳の血管と、頭皮の血管を直接つなぐ

間接的に脳の血行を再建する手術】

  • 血行の豊富な頭蓋骨の外組織を脳表面に接着し、血管の新生を期待する

どちらか単独でおこなうこともありますし、組み合わせておこなう場合もあります。
ただ、成人になってからの脳出血では、非常に高い確率で再出血してしまうことがわかっているので、開頭して血腫を除去したり、点滴で脳圧をコントロールすることが必要になってきます。

もやもや病を発症しているかどうかは、頭部MRAや脳血管撮影で確認することができます(なお、虚血症状の程度の判定には、別途SPECTをはじめとする脳血流検査が必要となります)。

その後、もやもや病と診断された場合、脳血管閉塞に伴う脳血流低下に対する外科的治療(間接的血行再建術、直接的血行再建術)がおこなわれます。血行再建がスムーズにいけば、虚血症状は約 1年で治まります。