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ベートーヴェンは生まれながらにして…梅毒だった?1/1

有名なピアニスト「ベートーベン」は生まれながらにして梅毒だった、という説を耳にしたことはありませんか?その理由と真相はどのようなものなのでしょうか?未だ謎に包まれています。

聖楽ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)─

ジャジャジャジャーン」のオープニングで有名な「交響曲第5番 運命」、また木枯しの季節となればもはやおなじみの第九こと「交響曲第9番 合唱」などで広く親しまれるこの大音楽家は、同時に聴覚障害者だったことでも知られています。

ベートーヴェンは 20代半ばから、耳鳴りに悩まされていた。

30歳になるまでには、聴力のほとんどを失ってしまったと言われています。
感動的なことに、けれどもその傑作の多くは、病の中で作られました。

さて、お話はいきなり現代に飛んで、数年前のアメリカはメリーランド大学での出来事です。
大学が後援する「歴史的な病理学的会議」(C PC)は、ベートーベンの難聴の原因をあらためて探ることにしました。

とはいえ、聖楽が没してからすでに長い時間が経過していて、だれにも確かなことはわかりません。
それでも、会議のメンバーはきわめて可能性の高い、ある候補にたどりつきました。それが梅毒だったのです。

ベートーベンは本当に生まれながらの梅毒だったのか?梅毒の症状と照らし合わせて考察する。

某海外サイトでは、ベートーベンは生まれながらの梅毒だった!という結論が出ているようですが、果たして実際のところはどうなのでしょうか?

ここからは、「梅毒に出る」と言われている症状から考察してみたいと思います。

梅毒の症状

  • 第一段階
    痛みのないニキビのようなものができ、膿がでます。ただ、すぐに治るので気づかない方もいます。
  • 第二段階
    全身のリンパ節の腫れ、倦怠感や熱、関節痛、赤い発疹などが生じてきます。
    梅毒に感染してから 3年以内に発症する症状です。赤い発疹は治療をしなくとも消えます。
  • 第三段階

    筋肉や骨にゴムボールのような腫瘍ができます。
    これは梅毒に感染してから10年未満に生じるとされる症状です。
  • 第四段階
    
体の中は腫瘍でいっぱいの状態です。腫瘍が脳にまで達しているケースもあり、認知症のような症状が出ます。
    また、合併症のような症状を起こして最終的には亡くなることもあります。
    これは梅毒の感染から 10年後以降に現れる症状です。

梅毒の症状の一つに聴覚障害がある上に、べートーベンの生きた時代、梅毒はよくある病でした。
もし、彼の父親が梅毒に罹っていたとすれば、ベートーベンへの感染経路を想像するのはむずかしいことではありません。

なぜならHIVと同様に、梅毒は子宮の中で、母親から胎児へと受け継がれることがあるからです。

会議の報告は、きわめて高い可能性として、大作曲家の聴覚をそこなった原因が、両親を通じてのSTI(性感染症)ではないかと結論づけていますが、これはベートーベンの楽曲が好きな方からすれば、死者への冒瀆(ぼうとく)以外のなにものでもないでしょう。

こうしたベートーベンの先天性梅毒説は、「蒸発性の軟膏を体に塗り込んだ」という記述が遺っているがために出てきている説のようです。

「塗っていた、とする蒸発性の軟膏は、当時の梅毒治療法のひとつであった水銀ではないか?」このような憶測です。

ベートーベンの毛髪を後に調べたところ、水銀は検出されていません。

併せて、梅毒の症状(めまい)に苦しんだという話もなく、この説は根拠の乏しいものになっています。

「ベートーベンの先天性梅毒説は、ただの憶測に過ぎない」と、結論付けることができるでしょう。

ただし、死後に行われた解剖では肝臓、腎臓、脾臓、他、多くの内臓に損傷が見られ、毛髪から通常の 100倍近い鉛が検出されていることから、ベートーベンの死因に関しては諸説あるようです。

ちなみに国内においては、性感染症である梅毒が近年流行をみせているとして、日本産科婦人科学会が今年、妊婦に対して感染予防や早期受診を呼びかけています。

梅毒の検査は産婦人科のほか、泌尿器科、皮膚科などで受けることができますし、各自治体などがおこなっているエイズ検査でも無料で調べることができます。

万一、検査の結果梅毒であることが判明したとしても、第二段階までであれば 2ヶ月ほどで治療できると言われています。

治療は抗生物質の注射や内服です。

早期で発見し、早期に治療してしまうことが最も大切です。


(参考)